お次は各部をややアップで。
まずは機首部を左側から。

やけに目立つU字型のマークは搭乗時の足場を示すもの。
ここを押すと足が架けられるようになっています。

先に書いたように、この機体はコクピットの上から乗り込むため、
機体の背は低いものの、よじ登るのは一苦労だったようです。
ちなみに展示の機体では畳まれてしまってますが、
一番下の逆U字マークの下部にはゼロ戦のような
引き出し式の足かけも収納されてます。

ついでに、一番上のU字マークの下、
黒い円形の部分がありますが、
これはドイツ機の機首によく見かける電源接続部。
エンジン起動時などに外部の電源車から
ここに電源コードを繋ぐわけです。



胴体中央部。

主脚に挟まれて爆弾が搭載されてますが、試作機のV型では
あの辺りに着陸用のソリがあり、左右のエンジンポッドの下と併せて
計3本のソリで着陸するようになってました。
逆に言えば、それじゃ爆弾を積む場所がないわけで、
爆撃機への転用が決まった段階で、車輪は必須の装置ではあったのです。

当然、ソリでは摩擦抵抗が大きすぎて離陸は不可能なので、
離陸は切り離し式の台車に乗って行なっており、まあムチャです(笑)。

こうして見ると主翼も極めて滑らかな表面になってますね。
その主翼の下で手前に飛び出してるのは
敵味方識別装置用のアンテナ。



エンジンポッドと例のヴァルター・ロケットによる
RATO(rocket assisted take off/離陸補助ロケット)用装置をややアップで。

ヴァルター109-500型RATO用装置で、その接合部が意外に複雑ですが、
離陸後、主翼には何も残さず、きれいに落下します。
よく見るとパラシュートのヒモが主翼に繋がっており、
切り離されるとこれが引っ張られてパラシュートが開き、地上で回収、となるわけです。
設計上は60回前後の再利用が可能だったとされますが、
実際にどの位の利用回数だったかはわかりませぬ。

先にも書いたようにMe-163に積まれていたロケットエンジンと
基本的に同じものなんですが、こちらの方が全長が短いような感じがあり、
なんらかの手は加えられてるような感じです。

エンジンポッドの後部が黒いのは高温対策、
電磁波による熱放射目的かもしれません。
ただし通常、黒色が有効になるのは相当な高温のはずですが…。


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