■地球には命中し放題



主砲弾の命中率に関しては、こんな感じだ。

「厳しいねえ」

厳しいんだ。
しかもこの程度の命中率を維持するためにも目標点、
つまり敵艦のど真ん中に弾が飛んで行く、というのが大前提。

そこで、実際に着弾を外していい距離、
つまりOKを出していいレベルの誤差ってのは、どの程度なのよ?
というのも、ここでちょっと確認しておこう。
とりあえず、着弾の広がり(散布界)の中心点(射撃中心)が、
目標の中心点から100mずれてしまうと、
つまり、狙いが100m外れると、どんな事になるか。





まずは目標艦が横位置の場合。
左右に100mのズレがあっても、ある程度目標にひっかかるが、
散布界内の面積に占める割合は、せいぜい10%前後だろう。
これが命中率でもあるのだから、結構、厳しい事になっているぞ。

さらに天地方向に100mずれた場合に至っては、どう見ても命中確率一ケタ代…。



次に目標の姿勢が縦方向の場合。これは結構極端な話になる。
まず左右で100mずれたら、完全にアウト。問題外。
が、天地方向の場合、結構な面積が残るのだ。
計算してないのであくまで大筋の数字だが、12〜15%位は残ってるだろう。

が、着弾がどっちにずれるかは、これまた運なので、
総合的な誤差の許容範囲は、横向きの時とそんなに変わらないはず。
まあ、こうして見ると許容誤差は100m、
まあ、大サービスして120m以内まで、というところかなあ。
それが目標中心点から射心が外れていい距離の限界だろう。

「そんなものかね?」

妥当なラインはここら辺だろうね。
これを超えると、命中確率はまともに期待できるレベルにはならないし
着弾点も、相手の致命傷にならない場所となる。
よって、相手はいつまで経っても沈まないし、
その戦闘能力を奪うことも期待できないのだ。
これじゃ戦闘は未来永劫終らない。

「なるほど」

NEXT