■ではどこまで見えるのか

では、最後に日本海軍が使っていた大型測距儀で、
どこまで正確に目標までの距離を読み取れたのか。
この点を考えてみましょう。



あの水平線の向こうの連中を日本海軍は照準できたのか?


ただし私の手元には、大和クラスの測距儀しかデータがありません。
よって、今回の検討はそれのみになります。
この点はご容赦。
他の戦艦は10m測距儀ですから、当然、これより能力は劣ります。
なので、大和、武蔵以外は、今回の結論より、さらにひどい、と思ってください…。

さて、その大和級に積まれた測距儀の主なスペックは以下のとおり。

■39式倒分像立体視式15m二重測距儀

基線長:長15.72m
     短15.28m

対物レンズ:120mm
倍率:30倍


基線長約15mはよく知られてますが、レンズの倍率も30倍あるので、
実際の有効基線長は約471mにもなります。
これはちょっとすごい。

が、どんなにすごい機械でも、使うのは人間です。
つまり、前ページで検討した「人間の目の分解能力」が
どこまでついて行けるのか、というのを見て行きましょう。

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