■天にだって通じるさ



というわけで、約10年ぶりの通天閣が見えて来ました。
微妙にキレイになったような気もするが、
前回来訪時の記憶が曖昧なので、もともとこうだったかもしれない。

このステキ鉄骨塔、通天閣は戦後に再建された二代目さんですが、
これを東京タワーとか、東京スカイツリーとか、
思考力の優れない金持ちがつけた、血統証付きチワワの名のごときものでなく、
堂々と通天閣、としたのは、大阪の偉さでございましょう。

…ってあれ、大阪タワーってのも、かつてはあったのだ、
と今回の旅行直前に知り、そして既に解体されている、とも知った。
名前負けであろう、とここに書いておきます(笑)。

ついでに脱線。
これの設計者は東京タワー、名古屋のテレビ塔と同じ、内藤多仲ちゃん。
私は内藤ちゃん3大タワーを制覇している、という事になります。
が、内藤ちゃんは、そもそも建築家というより、建物の骨組み設計屋さん、
つまり構造設計の人で、センスとか、美意識とかからは
マゼラン星雲並みに遠い人だったのでした。よって、彼は
「エッフェル塔をパクりたい」
という一心だけで、一連の塔を設計しております。
その集大成が、ホンマにそのままデザインをパクリやがったあの野郎!
という、場末のキャバレーのエッフェル塔こと、あの東京タワーです。

あれは観るたびに恥ずかしいなあ、と思う建造物ですが、
その準備運動として内藤ちゃんは、この通天閣、名古屋のテレビ塔、
札幌のテレビ塔(私は未訪)などなど、
日本各地に鉄骨塔を造って造って造りまくったので、
日本人の中に、タワーと言えば鉄骨で展望台、という先入観を
痛烈に埋め込んでしまったのでした。
まあ、構造設計を専門とする人間に設計させる方が悪いよなあ、とも思いますが、
個人的には、あれで日本人の美的センスが30年は後退したような気がしてます。

余談ついでに、内藤ちゃん、本職の構造設計では、今回の旅行記にも登場した、
例の南海駅前の高島屋の構造設計を1921年にやってます。
(建物の設計者は岡田信一郎さん)



やってきました通天閣直下。
たしか3度目ですが、夜に来たのは初めてのはず。
実は私、生まれてからずっと首都圏在住なのに、
東京タワーには2回しか行った事がないので、
通天閣の方が訪問回数は上となりました…。

が、通天閣、入り口からずらりとお客さんが行列しており、
こりゃかなり待ちそうだ、という感じ。
まだ閉館時間には間があるので、食事を先にする事に。



でもって周囲を見回してみると、行列のできてる店がいくつか。
で、これらがことごとく串かつ屋さんだ、というのに驚く。

関東、東京周辺ではメジャーな食事ではなく、決して専門店も多くないので、
実は一度も食べたことがないのですが、そんなにウマイもんなのか。
ちょっと興味を惹かれるも、さすがにあの行列に加わる気にはなれず、
ついでに、久しぶりに、関西風のきつねうどんを食べたいと思っていたので、
別の店を探すことにする。



いつもこのエリア、新世界には恵比寿駅方面、北側から来ていたので、
あっちが正面で、南側は裏通り、と思い込んでたのですが、
今回、食事するところを探して裏に回ってみると、
あれ、なんかこっちの方がメインストリートなのか?

こういった芝居小屋があったり、町全体の雰囲気とかも、
東京の浅草によく似てます。
実は、とんでもないとこまでよく似てる、というのを翌日発見するのですが、
それはまた後ほど。

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