■中華な商業軍事施設へようこそ



…なんか、普通の通路に入ってしまいました。
入場口からすぐの場所なんですが、左に見えてるのはオミヤゲ屋さんです。
この艦内、あらゆるとこに、オミヤゲ屋さんがあるのでした…。
でもって、あれ?格納庫は?

…正解は、ミンスクの格納庫は船体の後半部分にしかない、
船体中心部から前の甲板下は、各種兵器の弾薬庫やら士官室になってる、でした。

普通に考えて、あまりにムチャな設計で、このテーマパークが改造してしまったのでは?
とも思ったんですが、そこまで大規模な改修をした形跡はなく、
どうやらソ連の海の男たちは、格納庫なんて飾りです、
資本主義者にはそれがわからんのです、と考えてたんでしょうかねえ…。

実はどうしても信じられなくて(笑)、帰国後に調べて見たら
キエフ級の後継艦、ロシアが現在保有する唯一の空母、
アドミラル・クズネツォフも船体の半分しか格納庫になってない、と知る。
…なんのためのあの巨体なのだ(笑)。

空母の持つ力は、その搭載航空兵力による打撃力であり、
そのために発進、帰還、整備、補給等のバックアッをするのが空母です。
艦艇がより強力な打撃力を持つ航空機をバックアップするのであって、
間違っても航空機が水面に張り付いた戦力である
打撃力で劣る艦船をバックアップするのではありません。
が、ソ連は後者をやる気だったようです。…ええ、マジで。

それは大リーグの4番バッターを年棒10億でスカウトしてきて、
Jリーグに参加させるようなものですから、
壮大な戦闘資源の無駄使いでありましょう。

ただし、この後、徐々に説明してゆきますが、
これを空母と見るからおかしくなる、という部分も大きく、
連中の“オレたちの戦争のやり方”が理解できてくると、
それなりに考えられた船だ、と思えてきます。

もっとも、個人的には彼らの想定してる前提条件は
どうも間違えてるように思いますが(笑)。



おそらく何かの空間だったのを改修してしまったと思われる場所。
この船、好き放題に改造されまくり、さらには艦橋なんて
火災で内部はメチャクチャになったまま、という悲惨なシロモノなんですが、
よく見ると、その改造は“手間も金もかからない”
部分のものばかりでして(笑)、艦体の主要構造部には手が入ってないようです。
なので、ガッツがあれば、ある程度まで往時の状態を想像することは十分可能。

さて、これは空母と呼べる船なのやろか、と疑問を感じつつ前進を続けると…。



……ずらりと並んだ魚雷発射管とご対面。
…魚雷?空母で?飛行機に積むんじゃなくて、自分で撃つの?

はい、この瞬間、全てを悟ったのでした。
この船は、完全に巡洋艦として設計されてます。
まあ、さすがにソ連海軍閣下とはいえ、1980年代に敵艦隊相手に
魚雷戦を挑んじゃえ!とか考えてたわけではなく、これは対潜水艦用のもの。

数字の並びがメチャクチャな5本の発射管が見えてますが、これは艦首部の左側分で、
右側にも同じ数の魚雷発射管があります。ええ、ありますとも(笑)。




そこで展示されていた魚雷。
対潜用の誘導型だと思いますが、詳細は知りません。

おそらく中国製のコピー魚雷を持ち込んだんだと思いますが、
もしかしたら、船倉を探したら、回収し忘れたのが一本出てきました、
といったシロモノかも知れません。
売主、ロシアだからなあ…

まあ、あくまで民間施設なので、完全なレプリカかもしれません。
当然、この塗装はこのテーマパークによるデッチアゲでしょうね。



でもって、反対側の発射管。
各発射管のナンバーの法則性がイマイチわからない…。
魚雷のようなものが入ってますが、いくらなんでもこのスクリューで
前に進めるとは思えんので、これはレプリカ、というかハリボテでしょうね。

ちなみに、ここ船内ど真ん中でして、どうやってこれ撃つの?と思ったんですが…



帰国後、写真をよく見たら、ここら辺だったよなあ、と言う場所にハッチのようなものが。
発射時にはこれがパカっと開くんでしょうかねえ…

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