■最後の宇宙



アメリカ最初の人工衛星、エクスプロラー1。

前回見た、ドイツから来たアイツらこと
ブラウン閣下チーム謹製のジュピターロケットが
1958年1月に打ち上げに成功した人工衛星です。
これも予備機だったものだそうで、すなわち本物という事になります。

どう見ても人工衛星というより、小型のロケットですが、
前回書いたように、弾道ミサイルの上に強引に搭載したため、
まともな収納スペースが無かった結果、こういった形状になったようです。

ただし、宇宙から電波を発信させるだけだったスプートニクに対し、
このエクスプローラーは各種観測装置を積んでいた…
らしいのですが、どこまでホントに使えたのかはよくわかりませぬ。



こちはら人類初の火星着陸船、ヴァイキング着陸船。
展示のものは、これも地上試験などに使われた予備機だそうな。

1号、2号の2機体制で運用された着陸船で、
1976年7月20日に火星着陸を果たした1号に続き、
2号も着陸に成功してます。

ついでに、この着陸の日付で気がついた人もいるでしょうが、
これは本来、アメリカ独立100周年記念にあわせて計画されたものでした。
よって本来なら独立記念日の7月4日に着陸予定だったのですが、
火星軌道には到達していてものの、安全確認に時間がかり、
結局20日の着陸となったようです。

…あれ、ひょっとすると、この博物館も1976年設立だから、
独立100周年事業の一環だったのかしらむ。



でもって、地味というか、なんだこれ、という感じながら、
この博物館の目玉の一つらしいのがこれ。

なんだか人が集まってますが、右側の柱のようなケースの中に、
アポロ17号が持ち帰った月の石が入っており、
それを直接触れるよ、という展示です。



それがこれ。
最初何の再生ボタンだろうと思ったのですが、
三角にカットされた月の石がはめ込まれているのでした。

ちなみに手前と奥の両方から触れるため、向かいのオッサンと手がぶつかって
しばしバツが悪そうに見つめあう、という事態に(涙)。
とりあえず恋が始まったりしなくて、本当によかった。



少なくとも宇宙関係ではないが、なんだこりゃと思ったら、
ブライトリング軌道周回船 3(Breitling Orbiter 3 )という気球のゴンドラでした。
1999年の3月に19日と21時間かけて、無着陸地球1周を初めて成功させた気球だとか。
そんな記録があったとは、まったく知りませんでした。
ちなみにブライトリングというのはスポンサーになった時計会社の名前らしいです。

ただしそこは気球で(笑)スイスから飛び立ったものの、
帰りはだいぶ南に流されて、エジプトの砂漠に着陸したのだそうな。


NEXT