■いろんな形で飛んでます

さて、お次はアメリカンの有名どころM2シリーズ総進撃。
第二次大戦期のアメリカ全軍における主力機関銃です。

上の2丁が.50口径 12.7mmのM2、一番下が.30口径 7.62mmM2となってます。



.30口径(7.62mm)ブローニング(Broening)モデル M2(下)は、
ブローニングが最初に造った本格的歩兵用機関銃M1919の航空機用版でした。
M2の名前が付いてますが、有名な50口径(12.7mm)のM2とは別物、
そのご先祖様と言える機関銃です。
ちなみに上の二つが12.7mmのM2なので、大きさを比べて見てください。

航空機に搭載という事で、オリジナルのM1919に比べ30%近く軽量化され、
さらに極めて早い連射速度から、アメリカの航空機銃の主力になったようですが、
構造がやや弱く、初期には故障が多かったとされます。
ちなみに航空用に改造するに当たっては、ベルギーのFNH社が協力した、
という話がありにけり。

展示品には横にモーターが付いてますが給弾用のものでしょうか。
この機関銃は左右どちらからでも給弾ができたため、
航空機機銃として重宝されたとか。
第二次大戦時でも、カタリナやドーントレスなど後部銃座に積んでいたのは
こちらの.30口径7.62mmのM2らしいです。

 で、その上二つがあまりに有名な.50口径(12.7mm)のM2となります。
第二次大戦期のアメリカの戦闘機はほとんどこれしか積んでない、
という感じの主力機関銃であり、地上用のものは戦後どころか21世紀まで現役で、
今でも陸上自衛隊、海上自衛隊で見る事ができます。

元々は地上用の重機関銃として、第一次大戦後、
フランスの11mm機関銃を参考に作られたらしいですが、
航空機用機銃としても大ヒット作となり、第二次大戦〜朝鮮戦争時代の
戦闘機はもちろん、爆撃機の銃座用にもこれが使われています。

展示では真ん中のが戦闘機に搭載されるタイプのもの、
その上が尾部に取手と引き金が付いた、銃座でつかう手動式のものらしいです。



.50口径12.7mmM2は掃いて捨てるほどあるからな、という感じで豪快に切断展示されてたもの。
私なんかは見てもよくわかりませんが、真ん中と下のバネとかがいろいろと
上手いことやってバンバン弾が出るんだと思います、多分…。

ちなみに射撃時に手前に引く横のレバーが結構重そうなパーツとバネに連結されており、
あれ、引くの結構大変そうだなあ、と思ったり。
ゾンビの軍団が踊りながら接近中です、撃て撃て、
とか言われてパニックになって装填に失敗する自分を夢に見そうであります、サー。

**追記**
掲示板でいただいた情報を元に、写真に簡単な説明を追加しました。




1963年からベトナム戦争に投入された、
ジェネラル・エレクトリック(G.E)社製のM134 ミニガン。

主として対地攻撃ヘリやガンシップと呼ばれる重武装を施した輸送機に
積まれたもので、30口径7.62mmのガトリング式機関銃です。

本来は電気屋さんのG.E.ですが、発電用のタービンの経験と、
サンフォード・モスという知られざるジェットエンジンの始祖が社内にいた事で、
戦後はジェットエンジンで一大帝国を築きあげます。

この結果、高速回転なら任せとけと(笑)、ガトリング式、
複数の銃身を束ね、回転させ、撃ちまくる機関銃&機関砲の開発も得意です。
航空宇宙本館で展示されていた、20mmヴァルカン砲なんかもG.E.の製品でした。

ある意味そのヴァルカン砲の小型版ともいえるのがこれで、
0.30口径7.62mm機関銃を6本束にし、
電動モーター駆動で最大4000発/分の発射を可能にしたものです。

ちなみにアメリカではこの銃に陸海空軍が
それぞれが好き勝手な名前を付けまくった結果、
よくわからない事になってしまってるので、
ここではメーカーの呼称、M134ミニガンだけを表記しておきます…。


NEXT