■戦艦の海兵隊



さて、さらに艦内奥深くへと向いましょう。



その先の展示。
これって陸戦用の装備じゃないの。
となると、ここは…



あ、やっぱり。
例のブルズ アイズの管理部門の表示がMardet、
すなわちMarine detachmentになっており、ここは海兵隊分遣隊の居住区ですね。

海兵隊の存在しない日本だといまいちピンと来ませんが、
英米の戦闘用艦船には軽装備の海兵隊が常に乗り込んでおり、
(潜水艦は別。駆逐艦は今回ことごとく見学に失敗したので不明)
艦内の警察機構としての役割、さらには拿捕した敵船舶に
乗り込む時の護衛などの任務を行なってました。
もともとは、荒くれの船員だらけだった19世紀の海軍が、
水兵の反乱防止用に海兵隊を載せいてた名残でしょう。

USSニュージャージーの場合、1982年の改修後は
トマホークミサイル発射装置の警備も行なっていたそうですが、
おそらく搭載されていた核弾頭の警備もやっていたはずです。

当然、海兵隊は陸軍や空軍同様に、海軍とは別組織ですから、
独立した分遣隊として乗り込んでおり、独自の指揮系統を持っていました。
基本的には艦長直属のはずで、
ある意味、艦長の言う事きかない子は
海兵隊が相手になるよ、という存在なわけです(笑)。

これが戦艦クラスになるとかなりの人数が乗っており、USSニュージャージの場合、
1980年代で2人の士官と42人の一般兵からなる部隊が乗り込んでいたようです。

ちなみに海戦が始まるとやる事がなくなる海兵隊員は、別の仕事に尽きます。
ロンドンで見たHMSベルファストでは、アナログコンピュータの
入力&ハンドルを回す係などをやっておりましが、
このUSSニュージャージーの場合、5インチ砲の砲塔の1つが彼らの担当だったそうな。
体力ならまかせとけ、という海兵隊向けの職場という感じはしますね(笑)。



その海兵隊員の歴代衣装。
ちなみにこれ、ロッカーを改造した展示です。

とりあえず右端、近代改修後の1982-1991までの衣装に驚く。
こんなピザ屋のバイトみたいな衣装で、
ほんとに艦内に居たんでしょうかね…。



さて、そこからガンガン奥に行きます。
実はこの右の辺りが後部の第三主砲砲塔のはずで、
できればその砲台座部を見たかったんですが、これまた見学不能でした…。

で、この辺りから通路のドアが二つになっており、
明らかに大人数の通行を前提にしています。
なにかあるな、と思って進んで行きましょう。


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