ホテル屋上 一日目



ジャングルホテル屋上からの撮影は19時半ごろから開始しました。30秒おきに1秒露光で自動撮影を行っています。四月の西表島はこの時間だと完全には真っ暗にならず、このため夜景にベラボーに強いLX-100系のカメラだと御覧のような感じの写真がしばらく続きます。天気は見ての通りの曇天で、これは二日目も同じでした。

結論から言うと、ホテルの屋上の撮影では正体不明の存在は一切、撮影できませんでした。ただし、その一連の写真の中に前回見た「ホシモドキその2」が一枚だけ写り込んでいたのです。今回はその前後の写真も連続して撮影されていたので、結果的にその正体が判明しました。これは明らかにカメラ側に原因がある画像である、というのが今回の結論となります。



かなり拡大した状態で掲載してゆきます。連続写真の途中から恐らく漁船と思われる照明を点けた船が海上に居るのが撮影されていました。



だんだん暗くなってくると、画像が鮮明では無くなって来るのですが、それでも連続写真なので同じ漁船であることが確認できます。



そして一連の写真の中で、一枚だけ、このような状態で写り込んでいたものがあったのです。やや小さいモノの、この形状は筆者が撮影した「ホシモドキその2」と全く同じと見ていいでしょう。



これですね。前回の記事で見た「D」の位置に写っていた「ホシモドキその2」です。

連続写真で記録されているので、これは間違いなく漁船であり、すなわちカメラによる画像の異常だ、と思われます。よって前回見た「ホシモドキその2」は単純に本物の星だった、と判断していいでしょう。ちなみにこの漁船は約40枚近く写り込んでるのですが、この状態で撮影されていたのは一枚だけでした。LX-100の自動撮影は、撮影の度にピントを取り直すのですが、同じような写真が他に無いため、ピンボケでは無いと思われます。同じ理由でレンズの収差も考えにくく、どうも暗い画像を処理する画像処理エンジンのバグでは無いか、と推測しています。特定の条件が揃うと、こういった画像処理になるようで(推定だが、ややピントが甘く、全体が暗い画像で起きるようだ)、デジタル時代ならではの現象と言えるかもしれません。レンズの光学的な錯覚では無い、というのは早くから確信を持っていましたが、デジタル写真ならではの画像処理段階の不適切処理は完全に盲点でした。この点は判断が甘かったと言わざるを得ませぬ。

ついでながら今、世界の写真のほぼ99.99%はデジタル写真ですから、もっと精密な光学情報が求められる分野、軍事、天文などではどうやって画像処理エンジンの正確性を保証してるのか、ちょっと気になるところ。

いずれにせよ現実に存在する物ではなく、カメラに記録される段階で生じる現象による画像、と判断していいでしょう。よって「ホシモドキその2」に関しては存在しないものだ、と結論し、以前の記事の内、謎の飛行物体説の方を撤回します。ちょっと残念ですが、これが事実のようです。

ちなみに前回の記事中で触れたシャッター速度が異なる問題は、おそらくカメラを向けた方角の違いが原因だと思われます。ホテルでの撮影は今回の写真のように北側の海方向を中心に撮影したため、おそらく星の動きが少なく、より長い露光時間にできたのだ、という事です(全く動かない北極星を中心とする北の空の方が同時間で動く量は少ない)。



ちなみにこの漁船の他の写真は、ほぼ上のような感じでした。夜間は真っ暗闇であり、この光点だけが延々と撮影されて終わっています。この漁船は翌日には出て来ず、よって全写真がほぼ真っ黒だったので、この日の写真で一枚だけ画像処理エンジンがバグってくれたおかげで正体が判明した事になります。この偶然による一枚が無ければ、以後もその正体を追い続ける事になったかもしれず、そういった意味では運が良かったのかも知れません。

同時に他の人にる撮影例が見つけられなかった理由もこれでハッキリした事になります。

といった辺りがホテル屋上での撮影の結果となります。次に西表ヤマネコ像の方はどうだったのかを見ましょう。

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