間もなく到着。左が水力発電所で、右がその解説を目的とした記念館。ただしコロナウィルスの影響による閉鎖で一部は見学できませんでした…。

発電所は1888年(明治21年)建造で(ただし現存の建物は1909年(明治42年)に再建された二代目)、これは東北では最初の発電所であるのと同時に日本初の営業用水力発電所とされます(実験的な発電機は薩摩藩で島津斉彬らが既に建造していた可能性が高い)。

ちなみに京都の蹴上発電所が日本初を名乗ってますし、私もそういった説明を何回も現地で見ましたが、確認できる範囲では蹴上発電所の運転開始は1891年、明治24年ですから、この三居沢の方が間違いなく先です。

その蹴上発電所は「日本初の事業用」とされますが、本来は蹴上インクライン(琵琶湖疎水、京都から大津に抜ける水路の内、山間部では船をトロッコに乗せて引き上げたもの)用の電力ですから、いわゆる民間発電とはちょっと違います。一方、三居沢の方は最初に出資者が所有していた紡績工場内の照明用に使われたので、これもまた微妙な所があります。
どちらも後に近隣への電気供与を始め、正式に商業発電所になるのですが、その時期は明確な資料が見当たらず、ここまで来ると、どっちが先、というのはなんとも微妙だったりします。

とりあえず先に動いてたのは間違いない、この三居沢の方が日本初でいいんじゃないの、と私は思っております。



すぐ横に変電所があるんですが、極めて小規模なもの。
最大1000kw出力だそうで、近年では大型風力発電機一基で発電できてしまう出力です。発電事業に入れるギリギリの出力ですから、このような簡易なのもので十分なのでしょう。ただし1000kwというのは最大出力であり、通常はぜいぜい290kw前後だそうな。



記念館の内部はこんな感じ。上の階に展望台があり、そこから古い水路の跡が見れるのですが、この日は閉鎖中で入れず。
それが無いと、正直、よほどの発電所好きでないとあまり面白いものではないかも…



ちなみに稼働中の発電機をガラス越しに見れます。
右奥に山の上から水を落とし込むパイプが見え、当然、その横にあるタンク型のものが水車です。ここで回転軸をブン回し、左側、太鼓のような形状の発電機を動かしています。ちなみにどちらもドイツ製。



その横にあった発電機の部品展示。これも正直、よほど興味のある人でないと、あまり面白いものでは…。それぞれの形状の持つ意味まで考えたりすると、それなりに興味深いのでしょうが。

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