今回は唐突ですが、最初にモノコック構造について説明します。
最新、最強の技術が好き、そして自社開発が命、という本田宗一郎総司令官はF-1参入にあたり、当時はまだF-1でも斬新だった技術、モノコック構造の自社製車体(シャシー)を投入して来ました。では、モノコックって何?というのは、意外にキチンと説明されて無いので、ここで一度見て行きましょう。

Monocoqueは日本語だと応力外皮構造と言う意味の分からん訳が当てられますが、単に外殻だけで全体の構造を支えるものです。すなわち骨組み無しの外殻構造物を意味します。



もっとも判り易い例が卵ですね。当然、中に骨組などはなく、殻だけでしっかりその形状を支え、維持してます。完全な、そして理想的なモノコック構造です。モノコックは卵のような殻だけによる構造維持形状と説明するのが一番判りやすいでしょう。



次に判りやすいのが甲殻類。エビ、カニ、カブトガニなどで、連中は骨を持たずにその外殻だけで体型を維持してます。これもモノコック構造です。




日本ではあまり馴染みのないサソリさんもモノコック構造。

余談ですが、佐曽利という地名が岐阜と兵庫にありますが、おそらく同語源と思われる加曽利と呼ばれる地名の土地が千葉にもあります。どれも日本語からの類推は無理で、朝鮮語にも近い音が見つかりません。しかもなんでこんな飛び飛びの場所にあるの?というのも謎です。平安期の朝鮮、中国系の入植地にしては変ですから、なんでしょうね、これ。はい、脱線終了。



対して魚さんとかはその体型をその骨格で維持しており、外皮は基本的に筋肉と脂肪と内臓を包む袋に過ぎず、その体型維持には貢献してません。すなわちその体はモノコックではなく骨組み構造である、という事です。



この点は哺乳類も同じ。皮を剥いで袋は造れますが、骨なしで体格を再現する事はできません。骨でその構造を支えてるのです。とりあえずここまでが神の造りしモノコックとそれ以外の骨組み構造。神はモノコックと骨組み構造を造られたもうた、というわけです。



対して人の造りしもっとも簡単なモノコック構造の一つが丸木舟。
巨大な丸太の外側を船の型に削り、内側をくり抜いて人の乗る場所を造る原始的な船です。骨組み無し、外殻だけで構造を維持してますから、これは完全なモノコック構造です。ちなみにフランス語であるMonocoque も当初は造船技術の用語の一つでした。

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近代的なFRP製のボートなども骨組なしの外殻構造ですから、これもモノコック。



対して大型船舶は船首から船尾まで貫く船体の背骨である竜骨(キール/Keel)や、細かい骨組み構造でその形状を維持してますから、モノコックではありません。ただし、大型船では金属製の外板もただの袋ではなく、強度の一部を担当してるのでセミ・モノコック、準外殻構造と呼び、通常の骨組み構造(フレーム構造)とは区別します。モノコックには完全なものと、それに準ずるセミ・モノコックの二種類があるのです。



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