■家庭は科学で満ちている

今回の記事を始める前に、一つだけ、前回の記事に追加を。

小型カセットレコーダーのトコで、ソニーの1980年製ステレオレコーダーを、
これはウォークマンと違う、と書きましたが、科学博物館のホームページでは、
あれをウォークマンと紹介してるのを見つけました。

ちょっと判断に困るのですが、とりあえず、
日本ではウォークマンに含まれない商品なのは間違いありません。
(マニアックな話をすればウォークマンの原型のプレスマンのシリーズ)

ただし、イギリスでのウォークマンは日本とは別展開を行い、
Stowaway(密航者)という商品名で発売されており、
もしかしたら、イギリスではウォークマンのラインナップに入ってたのかも。

ちなみに、Stowawayの名前はあまりにカッコ悪いとされたようで(笑)、
アメリカ同様、発売から一年程度でウォークマンに名称変更になってます。

以上、補足でした。



1933年製の自動ドア。
ただし、日本式のように左右に開くのではなく、手前に開きます。
タクシーのドアみたいなもんですね。

ちなみに、現在は世界的に見ても、日本式の左右に開く自動ドアが主流となってます。
が、左右に開くドアってのは、私が知る限り、
人類誕生60万年の間、主流だったのは日本くらいではないでしょうか。

おそらく平安期の貴族の邸宅あたりをルーツに、以後は寺社や民間の建築、
最後は江戸の長屋などまで、左右に開くドアとなりました。
これは意外に意識されませんが、家に入るのに靴を脱ぐ、というのと同じく、
日本の家屋文化の明確な特徴の一つです。
あの手のドアを抵抗無く受け入れるのは、世界的に少数派で、
普通は左右にではなく、奥が手前に開くわけです。

が、そんな特殊な環境の日本が世界最強の自動ドア先進国になってしまったため(笑)、
現在、世界中の自動ドアの主流はこういった手前に開くタイプではなく、
左右に開く日本式となってます。
そのせいか、アメリカやイギリスの自動ドアには、
これは自動ドアだよ、左右に開くよ、という注意書きがある事が多いのです。



さて、その先は白物家電、洗濯機やら冷蔵庫の展示。

注目は左手前上の洗濯物。
世界広しといえ、オシメを干してある科学博物館はここくらいではないでしょうか(笑)。
これは下にある洗濯機の展示に付随してるものです。



まずは家庭の電気の入り口、スイッチやらコンセント、
さらにはヒューズ、ブレイカーなどなど。

こんなものから展示しますか、という感じですが、
これも展示が造られたのが微妙に古いため、今ではちょっとした歴史的資料になってます。



少し時代が戻って、まずガスが家庭に来て、
そこから電気が入ってきて…という内容。
なので、左端のランプはほとんどがガスランプ。

中央の扇風機っぽいのはどうも換気扇で、
上は普通に電気式ですが、下はガス駆動との事。
その動作原理はよくわかりません…。

ちなみに、上の電気式換気扇の左にある箱は、コイン式電気メーターで、
ここに料金を入れると電気が使えるようになり、
毎月電力会社の人が回収にきたのだとか。



これは、19世紀から20世紀初頭にかけて家庭で使われたさまざまな器具が、
これは何でしょう?というクイズ形式で展示されてるもの。
ABCの三択式で、一応、一通りやってみたんですが、
既に正解は忘れてしまいました…。

あ、一つだけ思い出した。
中央右側、一番上の栓抜きみたいなのは、
砂糖専用のニッパー(やっとこ)です。

角砂糖などが出てくる前は、どうも氷砂糖のような結晶状態で
砂糖は市販されていたようで、
このニッパーで細かく砕いて使ったんだとか。

当然、答えは間違えました。わかるか、そんなの(笑)。


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