▼齧歯目来襲

西暦2017年4月19日、集合住宅地下でシロネズミと接触。
手を出したところ、ヒョイと乗って来たので、これをもって
霊長類への降伏の印とみなしその投降を認め保護する。
が、直後に噛みつきやがったので、捕虜としては士官待遇を要求してると思われた。

が、それを無視してビニール袋に放り込んで保護、夕撃旅団参謀本部に連行す。



保護直後のシロネズミ。
一切の尋問に無言で黙秘を貫き根性を見せるが、単に日本語がわからなかっただけの可能性高し。
その装備、及び外見的特徴からジャンガリアンハムスターであると判断、
集合住宅内の掲示板に捕虜返還の用意あり、の張り紙を出す。

ちなみにネットで見たら、高温多湿に弱い、寒さに弱い、突然死する事が多いとの事。
…誰だ、こんな面倒な生き物日本に持ち込んだヤツ。



保護直後の全身写真。毛並はボロボロだし、一部にハゲがあり。
しかも毛づくろいすらまともに出来ず、バランスを崩してコケルのが目撃される。
以上の点から高齢で間もなく寿命の個体と判断されたが、後に擬態と判明する。

ついでに、最初からこうだったので平気で人の手に乗る生き物なのか思ったら、、
実は人を全く恐れず、手に乗って来るのは相当、人になれたハムスターだと後に知る。
となると、それなりに可愛がられていた個体だと思うのだが…。

ただし調べてみるとどうも最低価格880円とか売られていて、
君、ラーメン一杯並みの命の値段か、とちょっと同情する。
ついでに2年前後しか寿命が無いと知り、いろいろと安い命だな、君、と思う。

繁殖力も強く、ヘビのエサに最適、とか書かれてるのを見て、
他人事とは思えぬショボイ運命の生命だだなあ、とも思う。



上半身写真。
今、見直して見ると、目をあまり見開いておらず、眼球が引っ込んでいる、
さらに耳をピンと立ててるので、結構、緊張状態にあったのだと思われる。
が、こっちはこっちでハムスターなんて飼った事が無いので全く気が付かない。
ゆえにその扱いは極めて適当で、今になったらスマン、としか言いようが無い状態であった

……が、まあ、仕方なかったのだ、悪意は無かったのだ、という事で。



すぐに飼い主が返還を要求してくるであろう、という事で、バケツの中に放り込んでおく。
エサなんて無いから、ローソン100で30円引きで売ってたキャベツを与える。
当初は、敵の施しは受けぬ、と食事を拒否していたが、少し隠れて見ていたら、速攻で全部、平らげた。
腹は減っていたらしい。
この辺りの扱いもヒドイものだが、こちらには知識がないし、
すぐに飼い主に返す気だったので、仕方なかったのだ、という事でひとつ。

ちなみに、後にこの方、買い物袋に入ったゴミに異常な執着を見せる事が判明。
当集合住宅は、スーパーの袋などに各戸でゴミを入れて地下のゴミ収容所に持って行き、
管理人がそれらをまとめて、区の指定のゴミ袋に入れて捨てる、というシステムになっている。
その地下のゴミ捨て場のすぐ横で保護された個体が、スーパーの袋に入ったゴミに異常に執着する、
ということは、どうも一時的に完全に野良で、ゴミ袋をあさって生きてた可能性があると思われる。

ただし、このバケツに居た24時間で、あまりフンをしなかったので、
保護の前24時間以内にまともな食事をしていたかは怪しい。
ついでに、すぐに飼い主に引き渡すつもりだったので、この段階で体重を測定しておらず。
今思えば、計っておくべきであった。
ちなみに保護1週間後の初計測では30g。
必要とするエサはやってるはずだし、これ以上以要らない、と思うと巣に備蓄してしまうので、
どうも本人のベスト体重がこの辺りらしい。

そうか、私の1/2000質量の生き物か、扱いが怖いな、と後に思う。


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