■三菱 零式艦上戦闘機(ゼロ戦)
Mitshubishi reishiki
kanjosentouki (Type ZERO, ZERO
Fighter, ZEKE)
というわけでゼロ戦だ、ペロ君。
「って、なに、なんでオレがここに?」
君が呼び出される理由は常に一つしかないんだよ。
「犬族の知性と理性を全世界に知らしめるため?」
いや、ネタに困った時だ。
「ストレートに来たねえ…。ゼロ戦って有名なんだろ。書く事、いくらでもあるだろ」
いや、実はこの機体に関しては、ごく常識レベルの事しか知らないんだ。
資料も持ってない。
それでいて、国内では最も人気の高い機体だけに、いろんな情報が溢れてる。
ドラえもんとガンダムとエヴァンゲリオンと千葉県と宇宙戦艦ヤマトとトヨタ2000GTと
阪神タイガースの次ぐらいの人気メカだと思われるしな。
「いや、今、メカじゃないの入ってなかったか?」
だからね、下手な事書けないんだよ、すぐボロがでる(泣)。
「どうすんだよ」
で、君の登場、というわけさ。
「ワーオ!」
■2002年 アメリカ カリフォルニア州 プレーンズ オブ フェイムにて撮影

イエー!これが有名なゼロ戦だ。
「意味のないハイテンションだねえ、相変わらず」
三菱 零式艦上戦闘機のダンナ、ことA6Mことジークこと零戦であるわけさ。
犬日本帝国海軍を代表する兵器の一つだゾウ、パオーン。
「点、点が一つ多いよ。え?海軍って船だろ?飛行機に見えるぞ」
飛行機に見えるねえ。でも外見でだまされてはいけない。
美人のスウィートハニーと結婚しても、産まれて来る子供がみな気の毒なくらいブサイクな場合、
あなたのダーリンは整形美人の疑いがある。
「いや、外見にだまされるって、そういう意味ではないだろ」
というわけで、日本には空軍がなかったんだ。
「いきなり結論かよ!」
陸軍も海軍もそれこそ紀元前からその原型があった。
だが空軍は、偉大な変人にして友達になりたくない偉人さんベスト10の常連、
ライト兄弟が発明した航空機によって生まれた、まったくの新顔であり、20世紀ならではの軍隊だ。
「はあ」
で、ヨーロッパ諸国は、さっさと空軍を設立してしまった。
第二次世界大戦の段階で、イギリス、ドイツ、イタリアともに空軍はすでに独立していたんだ。
「そりゃそうだろ。飛行機が空軍でなくてなんだよ」
でもね、世界の僻地の中の地方都市ことアメリカと日本では、空軍なんて存在しなかった。
「飛行機はあったじゃん」
それぞれ海軍と陸軍が別々に運用してたんだよ。
「なんか無駄じゃない?」
まあね。でも海軍の使用する機体は、基本的に空母からの運用が前提になるから、
一般的な航空機とはちょっと造りが違うんだ。だから、海軍が自前の航空隊を持つ意味はある。
もっとも日本海軍は、空母に積めない陸上運用の大型双発爆撃機、
さらには海の上なんて知るかボケ的な機体まで造ってたので、まあ、あれだ、ええと、がんばれ(笑)。
「なにをだよ。ようするに海軍はその航空隊を手放せない?」
そうだね。実際、戦後設立されたアメリカ空軍は陸軍の航空隊が独立したもので、
海軍は独自の航空隊を今も持ち続けている。
「なるほど、海軍国には海軍国の事情があって、簡単に空軍独立ともいかない、と」
まるであらかじめ段取りをつけていたような、見事なコメントをありがとう。
まあ乱暴なまとめ方だが、大筋ではそういうことだね。
どこの国でも陸軍と海軍は仲良しではないから、
海軍が持ってるなら、ちきしょー!オレだって!と思うだろう。
余談だけど、日本陸軍なんて、空母まで持ってたんだぜ。
零戦でもおなじみラバウルに、米軍を恐れず入港した唯一の空母が実はその陸軍空母、あきつ丸だ。
しかも2回にわたり入稿停泊、無事出港してる。バカにしたもんじゃないぞ。
さらについでに、Fi156シュトルヒのとこでチラリと書いたキ76 三式式連絡機を搭載してたのがこの船らしい。
「ふーん」
ま、そんなわけで、前大戦時の日本を代表する戦闘機、そしてもっとも多くつられた機体でもあるゼロ戦は、
海軍の飛行機で、ちょっと偉そうに言うと空母などで運用される艦載機だったわけだ。
戦後はF4ファントムという艦載機の大物が登場するが、
これね、第二次大戦当時は世界中を見回しても、他に例をみない話だったりするんだよ。
「なるほどねえ、日本は島国なんだね」
だね。イギリスなんて生ヌルイ存在だね。

で、これはアメリカのプレーンズ オブ フェイムにある、世界でただ一機、
オリジナルの栄エンジンで飛べる機体。ちなみに52型だ。
昭和19年にサイパンで鹵獲された61-120号機。
後で出てくるスミソニアンの61-131号機と同時に鹵獲されたもので、
両者とも鹵獲時の写真がいくつか残っている、という枢軸国側の機体としてはきわめて貴重な機体だ。
連合国側の現存機でも、現役時の写真が残ってるものは少ないんだよ。
「へー、貴重だね」
なんだけど、第二次世界大戦時の古い飛行機を飛ばしちゃったんだから、ただではすまない。
「どうなるの?」
実はこの機体、フライアブルにするため、主翼を事実上、造り直してしまってる。
「つまり?」
ぜんぜんオリジナルの機体ではないんだよ。
レプリカとは言わないが、中身に関しては半分以上、新造したようなもんなんだ。
無線機類の搭載のため、アンテナ周りや電気系も、当然現用のものにされている。
正直、やや残念感が漂う気もするね。
「でもまあ、貴重なんだろ?」
まあ、ね。

「なあ」
はい?
「この視点」
ああ、この角度からの写真はあまりないと思うぞ。
かなりスマートに絞り込まれた機体であることがわかるね。
カウリングの前部も、思った以上に先細りになるんだ。
「いや、そうじゃなくて」
なんだい、さっきから?言いたいことははっきり言いたまえ。
「この角度から普通は写真を撮れないよね?」
…え?
「これさ、2mを超える高さから撮影してないか?」
…
「何かやりましたね?」
…すいません、係の人がいなかったんで、
持ち込んだ脚立こと簡易ラダーに乗って撮影しました…。
「…」
いや、ここ博物館と言っても格納庫改造しただけだし、床は頑丈だし、
人は少なかったし、お上にも情けはあるし…
「他に言うことは?」
…すみません、もうしません。
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