
ここからはとりあえず写真を見て行きましょう。
まずは前方上から。
機首カウリングの上部写真はほとんど残ってないはずなので、よい資料になるかと。
エンジンカウルの上、20mm砲の射出孔に挟まれた五式戦の特長ともいえる箱状のダクトは、
エンジンの気化器(キャブレター)吸気口。
ハ112はダウンドラフトの気化器式だったので、ここにつけたようです。
F4Fや四式戦疾風なども同じような位置にあるんですが、ここまで変な処理にはなっておらず、
エンジンカウルの中に取り込まれる形にしてあって、目立ちません。
ここら辺の設計を担当した小口さんの手記によれば、馬鹿でかい20mm砲2門の位置は
三式戦から変えておらず、この位置に吸気口をつけるには、
横幅が取れないので縦方向に背を高くするしかなかった、とか。
でもね。
これ、ターボ過給器を搭載したII型(3機の試作のみで終戦)では、無くなってるんですよ。
同じエンジンなのに。
F4Fでも生産途中で廃止になってますし、実はいらなかったのでは…?
(II型で吸気口が消えたのはターボ過給器からキャブに空気を送りこむからから、
さほどの流入圧がいらないからでは、
とのご指摘をアライさんからいただきました。その通りだと思います。
なので、ここの文章は明らかな勘違いですね。
この段階での五式戦にはこの大きさの吸気口は必要だった、と考えるのが正解でしょう。訂正します)

ついでに真正面から。
横から見るとあまりわかりませんが、真正面からだと丸いエンジンと、
いきなり細く絞り込まれる胴体の落差がはっきりわかります。
これが水冷エンジンを空冷エンジンに換えた結果ですね。

横から。機体後部に向けて、胴体がほとんど絞り込まれないという、
このラインはどういった理論に基づくんでしょう…。
直進安定性は良さそうですが。
中島が作ったジェット機「橘花(きっか)」も同じようなラインなので、
ドイツ系エンジンを積んだ機体は、なにか「機体が絞り込まれない呪い」にでもかかってしまうんでしょうか。
この角度から見た本機は、けっこうカッコイイと思います。

真正面やや下から。
プロペラは明らかにオリジナルと形状が異なります。
「世界の傑作機」の記事によれば、零戦52型のものなんでないかい、ということです。
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