正面部アップ。
Mk.V(5)までは主翼下、主脚の後ろにある冷却装置が左右で異なりました。向かって左(右翼)にあるのがエンジンのラジエター、向って右(左翼)にある円筒形のものがオイルクーラー。ラジエターは主翼に表面に貼りついていて機体表面の境界層から生じる乱流の直撃を受ける上に、主脚が前にあるため地上での冷却に問題があったと思われますが、まだそこまで高馬力エンジンでは無かった一段一速マーリンではなんとかなったのでしょう。

向って右(左翼)の付け根にある穴は撃墜を記録するガンカメラ用のもの。ついでにプロペラの先端だけ黄色いのは回転時に黒だと見づらいので、この部分だけ目立たせ、円周を描く事で地上走行時、周囲に危険範囲を知らせるためのもの。



機首部を横から。
アゴフィルターがサメのメガマウスみたいな感じです。こちらの排気管にも銃器暖気用の空気取り入れ口があるのに注意。
機首部先端上、排気管の斜め上にある文字入りのフタはラジエター冷却液の注入口。スピットではこの機首先端部に馬蹄型のグリコール冷却液のタンクがあります。同じく機首部中央辺りに見えてるOILの文字のフタは潤滑油給油口。すなわちこの下、アゴフィルターの上にオイルタンクがあります。

ついでに機種周りのパネルはネジで簡単に取り外せる構造になってるのも注意。



機体前半部を横から。やっぱりスピットはカッコいいなと思います。
操縦席の丸いキャノピー(天蓋)の下に四角いパネルが見えてますが、あれが搭乗用のドアで、下に開いて楽に操縦席に乗り込めるようになってます。すなわちスピットは左側から乗り込むのです。

 
機首部を後ろから。フィッシュテイル式の集合排気管(V12の片側6気筒なので2気筒ずつ)の後ろに不思議なパイプが伸びてますが、これが主翼の銃器まで繋がる暖気送風パイプ。ここから主翼まで結構な距離があるんですが、なんとかなったんでしょうかね。

主翼上で飛び出してる赤い棒は主脚が出てるのを確認するためのモノで、これは万国共通の装備です。パイロットからは機体下面は見えませんから、これを見て脚がちゃんと出て着陸可能、というのを確認するのです。

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