機首周りをやや下から。
機首下面、防塵フィルター入りで膨らんだ過給器用空気取り入れ口の形状がよく分かるかと。

細かい所ですが、その空気取り入れ口の上、機首下面のオイルタンクカバーが
継ぎ目無しの一枚板構造になってるのも後期生産型の特徴。
そもそもこの部分は機首部が長くなってる分、寸法も変わってます。

主翼の機銃で大きく飛び出してるのが従来のヒスパノ20mm、
小さく飛び出してるのがe翼から採用されたブローニングの12.7mm。

その機銃カバー部先端の赤いのは地上でホコリが侵入しないようにするキャップ。
ブローニング12.7mmはカバーを外してもほとんど出っ張りは無いのに、
こんなとこにまでカバーを付ける後期マーリンの神経の細かさは
ある意味ですごいなあ、と思うところ。

よく分からないのは機銃部の後ろ、薬莢排出用の孔が全て塞がれてしまってる点。
レストアのミスなのか、スプリング付きのフタになったのか、詳細は不明。



コクピット周りとか。
風防正面の防弾ガラスがコクピット内に入り目立たなくなったのも後期生産型の特徴。
ついでにこの機体も頭部のクッションがありません。
むしろ無いのが普通なのか、これ…。

コクピット後部、かつてはリベットだらけ、つぎはぎ外板だらけだった構造が、
これまた枕頭鋲と綺麗な継ぎ目で、かなり滑らかな構造になってるのにも注目。
ついでにこの角度からではよく判りませんが、初期型マーリンスピットにあった
アンテナ支柱後ろの上部識別灯が無くなってます。

これらは全てMk.VII(7)式の改修ですね。
よってMk.IX(9)が単純にスピットMk.V(5)のエンジンをマーリン60シリーズに交換しただけ、
というのはごく初期の生産型だけの話で、後期生産型とMk.XVI(16)は、
ほとんどMk.VII(7)式の改良型機体に変更されてしまってる、というのが正しでしょう。
初期型マーリン搭載スピットと比べると、細部に渡ってかなりの違いがあります。



ちょっと暗いですが、これも大幅に改良された尾翼部。
画面左、白い帯部分の辺りから取り外しが可能で、
その後ろの尾部構造はMk.V(5)のものより延長されてます。

トンガリ帽子型の尾翼もMk.IX(9)後期生産型&Mk.XVI(16)の特徴です。
面積が大きくなってる分、舵の効きはいいはずで、てっきり高高度用だと思ってたんですが、
この機体はLF、低空用ですから、後期生産型には片っ端から付いていたっぽいですね。

この写真ではよく見えませんが、
水平尾翼の昇降舵(エレベータ)もMk.VII(7)式のものになってます。
だったら尾輪も収納式にしてしまえばいいのに、と思うんですが、
この点は最後まで固定式でした。
そう単純な改造ではないんでしょうかね。

といった感じで、この機体の写真はここまで。
意外に撮影できる場所が限られてる展示なのでした、これ。


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