■エンジンカウル&脚

お次はエンジンカウルを見ておきましょう。



まずはイギリスにある、これもほぼオリジナル状態の52型ゼロ戦のエンジンとカウル部分。

白丸部分、エンジン用の空気取り入れ口の下側左右に、
補強用か整形用かわかりませんが、
薄い板が貼り付けられてるのがわかるでしょうか。
これが52型の特徴の一つで、これは先に掲載したスミソニアンの52型でも確認できます。



対して、これがP.O.F.の52型。
空気取入れ口左右に貼り付けられた板の形がまるで違うのがわかります。
えらく小さくなってしまってますね。

ただし、じゃあこのカウルも造り直された非オリジナルか、というと微妙でして(笑)、
それ以外の部分はリベットの数、パーツの分割、どれを見ても
ほぼオリジナルに忠実な形状なのです。

よって、よほど丁寧に再製造したものか、もしかしたら、
オリジナルのカウルを土台にして再生したものかもしれません。
とりあえず、空気取り入口周辺部は完全に非オリジナルですが、
全体的にはこれまた微妙、という感じにしといてください…。



さて、主翼と並んでこの機体の残念な部分、主脚部を見てみましょう。
左がP.O.F.52型、右がオリジナルのままと見ていいロンドン52型の主脚です。
P.O.F.52型の方は地上駐機状態、つまり緩衝部(銀色の部分)に機体重量が懸かって縮んでいる状態、
対して右のロンドン52型は伸びてる状態ですから、この点は注意してください。

で、とりあえず、消耗品と言っていいタイヤが別物なのは仕方ないとしても、
さらにホイルとその中に入ってるブレーキ部分も、全く別物です。
ブレーキパイブがP.O.F.52型では後方に回ってしまっており、
ブレーキ本体の、色も形状も異なってるのがわかるかと。

ついでにロンドン52型は外カバーの上部分が失われてしまっているのですが、
残っている下部分だけでもかなり構造が異なっています。
そのカバーと脚の接合パーツもよく造られていますが、これも別物です。

これまたほとんど造り直されてしまっている、と見るべきでしょうね。


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