後ろ方向から。
なんとなく潰れたカエル、というい印象が…。
エンジンを機体から少し離した位置に固定するための台があるのがわかるかと。

でもって、この機体の妙なとこ、その3がこの尾翼周り。
後ろにジェット噴射が来る以上、普通の垂直尾翼ではエライことになりますんで、
こうやって左右に分割して、その直撃を避けてます。

まあ、そこまでは理解できるんですが(笑)、水平尾翼の強烈な上半角、
それに合わせて傾いたままの垂直尾翼など、よくわからん構造になってますね。
恐らく、主翼からの気流と、ジェットエンジンの噴流を避けて、
キチンと舵が効く様に、といった発想に基づいてると思われるんですが、
正直、よくわかりませぬ…。

あくまで、私のカンですが、この機体はまともに飛ばすのにも
結構苦労したんじゃないでしょうかね…。

垂直尾翼は木製(水平尾翼は金属製に見える)のようで、
これ、熱対策は大丈夫だったんでしょうかね。
木そのものは耐えたとしても、接着剤の耐久性がどうだったのやら…。



ちょっと斜め後方から。

尾翼の舵面は木製で、この時代の機体に多い羽布張りではありません。
でもって、あんな場所に垂直尾翼をつけてしまったので、垂直尾翼の舵面はニ分割、
水平尾翼の舵面は両端が使えず短めになっており、
なんともドロナワ的な設計の息吹を感じるところ…。

ただ、その手の舵面を操作するロッドが外部にまったく飛び出してないのは
さすがドイツ、というとこでしょうか。



ちょっと斜め後ろから。
エンジンポッドの前部はオムスビ形の断面なのだ、というのがわかるでしょうか。

ついでに尾部、尻尾の部分に下向きの小さな出っ張りがありますが、
あれはシリモチ防止用のパーツ。

ジェット機になってプロペラがなくなり、世界中の戦闘機設計者の皆さんは
“これでもう地上と機体の間にプロペラ分の空間を確保する必要がなくなったぜ、ヒャッホー!”
とガンガンに脚の短い戦闘機を造りまくるのです。

で、造ってみたら、離着陸時に機首を上に向けたらケツを地面にこする事になる、と気が付いた(笑)。
この結果、こういったシリモチ防止用のパーツが取り付けられる事に。
このHe162のほか、イギリスのミーティアにも同じようなモノがあります。

…あれ、ひょっとしてHe162の尾翼が上向いてるの、シリモチ防止用…?

機体真後ろから。
赤い部分は固定式の調整用タブで、空中での操作は不可能です。

つーか、この機体、昇降舵にコクピットから操作できるタブがないんですが…。
あくまで短距離飛行が主だからこれでいいのだ、と割り切っちゃったのか?


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