■原点回帰 2015

さて、最初から構図を決定した上で、
絵の完成を目指すというのはどういう作業なのか。

それは、ある日裏山に芝刈りに行ったアナーキャが
シャンガリアンハムスターに乗った阿弥陀如来から電撃のような啓示を受けて結構いい迷惑だった、
といったようなドラマッチックな展開ではなく、
なんとなく頭に浮かんだ構図を地道に絵にして行く、という作業になります。

逆に言えば、なんとなく頭に構図が浮かばない限り打つ手は無く、
ここら辺りは完全に成り行き任せとなります。

で、今回なんとなく頭に浮かんだ構図がこれ。




なんだこれ、という感じですが、双発水上機の上に女性が立ってる、という構図。

頭に浮かんだ段階では常にこれだ!これで世界はオレのもの!
という感じなんですが、実際に絵にしてみると大抵ガッカリデラックスなことが多いです…。、
この段階で精神がくじけないようにする、というのも重要なポイントかもしれませぬ。

エンジンナセルのキレイな円、主翼のまっすぐな直線は
生身の人間に描けるものではなく、お絵かきソフトの図形描画機能を使って描いてます。
楽ができる部分は徹底的にやるのが私の生き方です。

少し細かい話をすると、これらは単純な線ではなく、パスと呼ばれたりするもの。
これは紙の上に直接ペンで線を引くのではなく、糸を置いてるような描画方法です。
なんだそれというと、後から自由に位置を動かせるんです、これらの円や直線。

なので、構図を決めるにあたって、パズルのように円や線を動かして、
もっともカッコよさそうな位置を決め、その後から手描き部分を加えて行ってます。

ちなみに、この段階でどうもアカンな、と思ったらそこでボツとします。
今回のはどうもダメっぽいな、と思ったんですが、何か捨てるに忍びなく、
とりあえず、このまま行くことに。



そこから最低限の色を乗せてみる。
各色は一段階のみ、単純な一色で塗ります。
ただし、おそらく絵の隠し味になるだろうな、
と思われたエンジン下と主翼下の影だけは入れてみました。

うーん、やはりまだ微妙(笑)。
が、ここまで来たなら行けるとこまで行ってみますか。

で、この段階で初めて冷静に全体を確認し、
二つのエンジンの位置が近すぎる、さらに人物が大きすぎる、
という二点に今更気がつき、訂正する事に。



ちなみに前回の2014編で説明したように、
最初の色塗りは線画の上に乗算処理のレイヤーを一枚重ね、
そこに適当に色を塗っていってるだけです。
その色のレイヤー部を取り出すとこんな感じ。
これをお手持ちの画像ソフトで、一番上の線画に乗算で重ねると、一つ上の絵になるわけです。

各部がガタガタで、いかにも適当に塗ってるのがわかると思いますが、
これは個性である、と自分を説得できるようになると、まず気にならなくなるので大丈夫。


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