■さらなる奥へ その途中には行きどまりの門柱がずらりと並ぶ。 何かの秘密基地の入り口?という感じですが、どうも以前は大谷石のショールームのような役割をこの施設は担っていたようで、その名残みたい。実際、首都圏の門や塀では大谷石、多く見ますしね。ちなみに現在、明治村にある、かつて日本で一番美しかったホテル、旧帝国ホテルの入り口周辺の建物も大谷石製です。現在の帝国ホテルは田舎の市役所みたいなダサイ建物ですが、ロイド設計のあれは、何度見ても美しいと思います。大谷石を使った最高傑作でしょう。 余談ですが、私がアメリカってスゴイ、と思う点の一つがよほどの豪邸で無い限り、家の周りに塀も門も造らない事。そして一定以上の収入を持つ人たちの住宅の庭は芝生が植えられており、街並みの光景がとても美しいこと。日本の住宅街の美観は先進国の中では最悪の一つだと思うので(といっても私が見たのはアメリカ、イギリス、フランスだけだが)何とかならんかなあ、と思ったりします。 さて、入り口付近まで戻って来ました。ここで左に曲がると、次の空間へと行けます。 地下空間なのに意外に立体的で、ここでは一度階段を上って上に上がります。 その先には主坑道を同じくらいか、あるいはちょっと広いかも、という別の坑道が。向こうには地上に繋がる出口がみえ、おそらくここが本来の坑道入り口じゃないかと思います。よく見ると床にタイヤ跡があり、おそらく機材の搬入などはここから行ってるのでしょう。 ちなみにこの独特な雰囲気なため、映画やテレビのロケ地としても定番で、その手の撮影機材もおそらくここから持ち込んでるのだと思われます。でもここの雰囲気を生かすにはよほど明るいレンズで広角で撮らないとただの暗い場所ですから、難しい気がしますよ。実際、ロビーで流れていたここで撮影された映像のほとんどはこれならセット撮影でいいじゃん、というものでしたし。 ついでに、かつては外車の新車発表会会場にも使われていたそうな。…一酸化炭素中毒、車の一台や二台ならなんとかなるもんなんでしょうかね。 こちらは掘り残した支柱がやや小さく、その代わり、それぞれが接近してました。途中で掘削技術が変ったのか、地盤的に主坑道周辺と違うのか、その辺りはよく判りませんが。 ちなみに天井もかなり低いです。ただしこの点は本来話は逆で、床が高いのです。この上はすぐ地上なので、天井はこの位置で固定、そして掘る以上、下に向かった方が作業は楽なので、おそらく床方向にあまり掘り進めないうちに、鉱山として放棄されてしまったのでしょう。 |