さて、今回の旅は以下の二つの理由によるものでした。

■二回連続で雨天となった西表の旅によって晴れ男としての自我が崩壊しつつある状況を、なんとしても回避せねばならなかった。よって天気予報を利用し、ズルをしてでも晴天の日にどこかに行きたかった。

■都心部から約120q北西となる日光まで東武線を使えば片道1393円(ICカード利用)で行けてしまう事を発見。そして早朝6時に出れば朝しか走って無い東武日光線の無料急行が使えるので北千住から2時間7分で到着してしまう。

この両者の条件が西暦2023年5月24日、奇跡の惑星直列のように重なったため、朝の5時に起きて(デグーにゴハンをやる時間が必要)日光に向かったのでした。そして天気予報によるズルの効果は偉大で腰が抜けるような好天の下の日光は見事なまでに美しかったのでした。よって、せっかくなので旅行記にまとめる事に。

さすがに首都圏とは呼べませんが(距離的には富士山より遠い)、それでも関東地区の中では有数の観光地である日光。山上の男体山と中禅寺湖地区、そして日光東照宮に代表される麓の歴史ある寺社仏閣地区に分かれる観光地であり、首都圏の人間ならおなじみの土地でもあります。ただし私は20代のころ免許取って車買って嬉しくてしかたねえ友人連中と一緒に行ったのが最後で、以後30年近く未訪問の土地でした。

正直、なんか昭和の観光地と言う印象であり、かつ大自然も歴史遺産も中途半端、という記憶しか無かったからです。が、今回行って見たら意外なほど面白かったので、いずれ再訪しようと思います。片道1393円+170円だし。

では行って見ましょうか。



関東ではベラボーな営業距離を誇る独特な私鉄(主要路線が遠く離れた東西に二つある上に両者は連絡してない)、東武鉄道の北千住駅。ここから埼玉の北の果て、実は一度も行ったことが無い南栗橋駅を目指します。旅立ちは始発の東武浅草駅でも良かったのですが、ウチから行く場合、千代田線で行ける北千住の方が便が良かったのでこちらに。ちなみに6時11分発の電車です。

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南栗橋駅で、朝しか走って無い貴重な東武日光線の急行に乗り換えます。

正直に申し上げると郊外というのも生ぬるい田園地帯に向かう列車であり、ガラガラだろうと思ってたんですが、とんでもない話で、都心ギリギリの北千住から南栗橋駅までほぼ満員でした。学生さんも多し。そしてさすがに今度はガラガラだろうと思っていた日光線の下り電車もかなりの乗車率。すみません、北関東をなめてました…



その南栗橋の先で富士山が見えて驚愕する。五月末だよ、どんだけ大気中の水蒸気が少ないのよ。下は一面田んぼなのに。ククク、オレの晴れ男の歴史に新たな一ページが加えられそうだぜ、と思う。ちなみにここから富士山までは約120q。写真は邪魔が入らないように橋の上から撮ってますが、地上からも見えました。すなわち好天であるなら120q先の高度4000mからこちらが見えてる事になります。そう考えると珊瑚海開戦、ミッドウェー海戦、ともに索敵は何やってたの、と思うでしょ。この辺りは雲量の記録が重要なんですが、両軍ともあまり残してないんですよね。



さすがに日光線に入ってからは田園風景が広がりますが、そこに至るまでの約1時間半、走っても走っても住宅街&駅前の高層集合住宅が続きました。あらためて日本の首都圏は広いなあ、と思う。

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