■香港は行くよ



さて、その青果市場を出て、しばらく南に向かうと、ああ香港だなあ、という光景が。
わかりますかね、画面上の方。
高速道路がビルの中を通過しております…。

信じられん、という方はGoogleマップなどの衛星写真で、
香港の九龍半島南端近くのやや西側、上海街と高速道路がぶつかる辺りをご覧あれ。



さて、そういやこの辺りに、昨夜見かけた道教廟があったはず。
昔は道教になんて興味なかったから、実はまだ立ち寄った事がなかったのでした。
せっかくだから、行ってみよう。

で、これがその入り口の門。昼間見るとまた印象が変わりますね。
つーか、あれだけあった夜店はどこに…。
ご覧のように手前は公園になっており、奥が廟。
昔は手前の部分も道教廟の一部だったような気がします。



ここは天后廟(ティンハウ)で、海の守護神である天后を祭ってます。
と言う事は、昔はこのあたりも海だったのか?と思いましたが、どうやら1870年代に
街の再開発に伴って、この地に移転させられたものらしいです。

建物は1890年ごろのものらしく、日本で言えば明治初期のもの。
まあ、新しい街ですからね、香港。
それでもそれなりに伝統が感じられる廟でした。
屋根の上の飾りとか、上海辺りの寺院と変わらず、ああ中華だなあ、と。

ここは現在でも根強い信仰の対象らしく、廟内は撮影禁止。
入るのも、正直ためらわれたのですが、人が少なかったのでちょっとだけ歩いてみました。
中心の大部屋と左右の部屋に分かれた構造で、平等院鳳凰堂を思い出しました。

余談ですが、道教はお葬式、死者の弔いもやります。
日本の仏教もやりますね。日本のお寺にはお墓まである。

が、仏教は本来、輪廻転生を信じ、さらにそこからの解脱を狙っちゃった魔法体系ですから、
死後の世界があっちゃまずいんですけどね、どう考えても(笑)。
みんな生まれ変わるか、“新世界”へ解脱しなきゃならないはずなのに、
ご先祖さんが毎年帰ってきちゃったら、教義が根本から崩壊するはずなんですが…。

でもって、日本の仏教があれだけ強烈に死後の救済をウリにしたのは、
おそらく中国の道教の影響だと思うんですが、
これ以上の脱線はやり過ぎなので、この話はまた別の機会に。
(ちなみに、仏教以外でもインド思想は基本的に輪廻転生派で、
このため日本や中国のように死体の処置に執着しない。
それこそ燃やすわ河に流すわ、やり放題だ)



そこに居た猫。
何でも神様にしてしまう道教ですから、これも猫神さまかもしれない。
とりあえず、モテモテで大金持ちになれますように、とお願いしておきました。



裏から見るとこんな感じ。
えらく派手なレリーフが入ってます。

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