■深圳市(シェンズェン)に行く前に



さて、この旅行記も、いよいよクライマックスに入りつつあります。
入ったとたん左折と右折を間違える、といった感じではありますが…。

愛と言う名の旅路4日目は、例の香港の北にある特別経済区、深圳市(シェンズェン)に行きました。
連載当初に解説したように、香港に北側で接するエリアです。
最初に断っておくと、この旅行記では、一般的な日本での呼称、シンセン、深センは使いません。
全く現地の発音と異なりますし、なぜこんな読み方をするのか、理解に苦しむ所ですので、
中国語表記の深圳市、読みカナではシェンズェンと表記します。

もっとも、他の人にまでこの点を強制する気はありませんので、
掲示板やメールで何か連絡を頂く場合は、シンセンと書いていただいて問題ありません。

実際の発音は英語表記のShenzuhenが最もわかりやすく、
日本語での表記は困難なのですが、およそシェンズェへェンといった感じになります。
“n”の音が多いので、ダメ日本人の私が発音しても、それなりに通じました。

さて、その深圳(シェンズェン)ですが、
香港と細い川一本隔てただけの土地なのに、まあ見事に中国なエリアで、
香港から行くと、別の国に来たなあ、という感慨のある地区です。

ただし、数ある中国の特別経済区の中でも、ブッチギリで成功しており、
最初にも書いたように、以前は香港、マカオ、深圳が中国のリッチ三大都市でした。
2010年現在は上海に抜かれたようですが(抜かれてない説あり)、それでも中国の中では
抜きん出て大金持ちな街で、当然、多くの人が集まってくるわけです。
結果、かなりの大都市となっています。

今回はかなり片寄ったエリア(笑)を駆け足で見ただけですが、
実際に行ってみたら、これが上海並みの大都市で驚きました。
部分的には、上海を抜いてるかもしれません。

上海の場合、そこを地元にする共産党有力者のお膝元、という事情で、
政治的にも優遇されてるんですが(なにせ莫大な金を吸い上げてるのだ)、
2010年現在、生まれて30年ちょっとのこの街は
純粋に経済力だけで、中国国内に特殊な地位を築いています。

もし香港が、今後じわじわと中国化してゆくなら、
中国の経済的な中心地は、上海~南京の中南部地帯ではなく、
ここ、香港、マカオ、深圳周辺になるんじゃないか、という気はします。

これだけの経済力があるなら、あと10年もあれば、
共産党の中央部に、ガンガン有力者を送り込むくらい、チョロイでしょう。
10年後まで共産党の一党独裁が続いていれば、ですけども。
(ちなみに“市場”を持つ現在の中国は共産国家ではなく、単独政党の独裁国家)


では、さっそく見て行きましょうか。

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