■オミヤゲ屋の全力
さて、前回は低迷する大相撲の打開策として、点を一つ打つだけでいい、
すなわち犬相撲にして土佐犬のプロ入りを認めるべきだ、
というとことまで説明したね。
「ないよ、そんな話」
さて、そこから今回はスミソニアンのオミヤゲ屋さんの本気、
世界中のミュージアムストアを探しても
これだけの展示はまず見ないだろう、というシロモノだ。
「ああ、あれ?」
そう、前回も紹介したあれ、すなわち1966年9月から69年までアメリカで放送され、
大ヒットとなったSF
TVドラマのスタートレック。
その撮影に使われたUSSエンタープライズ号の実物展示だ。
ジャーン!
背景にスターウォーズのポスターが写ってしまってるのはご愛嬌(笑)。
「相変わらずお客さん、居ないね」
そうなんだよ。
皆知らないだけなのか、私が思うほど
アメリカでスタートレックの人気が無いのかは謎だが、こんな感じだった。
まあ、おかげでゆっくり見学できたので文句は無いけどね。
解説によると船体のほとんどはポプラの木材で作られていて、
一部が成形したプラスチック製だそうだ。
ただし左右に飛び出してるエンジン部は
強度の問題から鉄パイプで補強されてるとの事。
正面から見ると、なんだか鬼太郎の目玉オヤジみたいだ、と思いました。
ちなみにさすがスミソニアン、という感じで“架空の船だけど”と断った上で、
詳細なスペックまで解説されてたよ。
「どんな?」
とりあえず、このエンタープライズ号はスターシップ級巡洋艦の一つで、
登録番号はNC-1701、430人乗りで全長288m、円盤部の直径が127m、
総重量は172,368tと、ヤケに細かい数字になっている。
「…ぐー」
寝るな、スタートレックマニア、トレッキーの皆さんには重要な話なんだから。
ちなみにこの模型の全長は3.3mだそうだから、
約1/114という中途半端な縮小率になっているわけだ。
せっかくだから、その解説板も載せておこう。
下の写真は1964年12月に、6週間かけてこの模型が完成した時の写真だとか。
ちなみに、材料代だけでも、当時のお金で約600ドルかかったとの事。
「あれ、放送開始が1966年9月でしょ。2年も前から準備してたの?」
スルドイね。
スタートレックは最初の企画段階でテレビ局からボツを出され、
再度提出した企画を基に、とりあえず先行試作版(Pilot
film)の
単発ドラマの製作が行なわれたんだよ。
その先行試作2話の評判がよかったので、シリーズ化され、
大ヒットを記録することになるわけだ。
この模型は、その先行試作版の撮影段階から使われたのさ。
ちなみに先行試作第一弾、「The
Cage」にはミスタースポックは登場するが、
カーク船長は第二作「Where No Man Has Gone
Before」
からの登場となってるんだ。
「へー」
でもって、この模型は放送終了から5年経った1974年に
パラマウント映画からスミソニアンに寄贈されてたんだそうな。
「なんだこりゃ」
上の模型の撮影用台座。
これに模型を載せて撮影してたんだそうだ。
当然、これもホンモノ。
「それだと台座が写っちゃうじゃん。」
そこら辺りは特撮関係の解説を各自探して確認して欲しいが、
よく見るとこれ、一部に青い塗料が残っていて、
元々は青く塗られていたのがわかる。
これはブルーバックと呼ばれるフィルム合成技術で、
これによってキレイに宇宙の背景などに合成できちゃのうさ。
「へー」
といった感じで、今回はここまで。
ミュージアムストアの話は次回で終わるけど、
本編の航空宇宙編はちょっと厳しそうな感じだなあ…。
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