■何かの集会

さて、とういわけで、今回のお題はこれだ。

「はあ、さいで」



「何かの告知広告?」

正解。上のタイトルには
魂、苦痛、そして共同体、と書かれてるね。
その下の文章は
南北戦争時のアレクサンドリア市における死、だそうだ。

「…何の広告?」

先に見たリーさんの一族が住んでいた家に出ていたもので、
10月19日開催、夜6時〜9時までやるよ、
チケットを買ってね、といった事が書かれてる。

「何をやる気なの?」

これだけではさっぱりわからないので、帰国後に確認したら、
どうもアレクサンドリア周辺では南北戦争(1862〜1865)から150周年ということで、
いろんなイベントを開催してるらしい。

これもその一環で、戦死者(死)と、戦傷者と戦地病院(苦痛)、交霊術(魂)をテーマに、
南北戦争時代からあるこの古い家で、それらを再現する、というものみたい。
どうも室内に役者さんが居て、当時の病院の様子や、
戦死者を呼び出せる交霊術のやり方、といったものを再現してくれるらしい。
ちなみに入場料15ドルと、それなりにいいお値段となっている。

「…なんで交霊術?」

南北戦争当時は、まともな兵士の身元確認の方法がなくて、
南軍の場合、戦死者の4割以上が身元不明だったんだそうだ。
よって戦死しても、その事が家族に伝えられる事はむしろまれだった。
そうなると、残された家族としても、生きてるんだか死んだのかだけでも
確認したい、という事で交霊術に頼ったらしい。

「頼るんだ、交霊術に…」

まあ、まだ1860年代、日本だったらギリギリ江戸時代だからなあ。

余談だが、日本のコックリさんは、アメリカの交霊グッズ(?)
オジャ ボード(Ouja board)のパクリなんだけど、
あれがアメリカで発売になって大ブームになるのが1890年代。

で、どうもこれ、南北戦争時代に大流行となった交霊術、
トーキング ボードからヒントを得たらしい。
トーキング ボードはアルファベット26文字と0〜9の数字、
そしてYES NO のマスを自分で書き込んだ木の板で、
その上に木片やコインなどを置き、それに指を置いて行なうものだった。

だったら、最初からアルファベットとYES NO が印刷してある
ボードを売れば儲かるんじゃないの、という事で発売されたのが、
アメリカの交霊装置ことオジャ ボード(Ouja board)なんだ。
現物は日本ではあまり見れないけど、
まあ、コックリさんシートと思っておけば、ほぼ間違いない。

そんなわけで、日本のコックリさん、ビミョーなラインでだけど、
アメリカの南北戦争と繋がってなくもないんだよ。

「ホントにビミョーだな」

そして、日本で言ったらごく普通の住宅街という感じのこんな小さな街でも、
こんな凝ったイベントが開かれるんだ、という驚きも感じてちょうだい。

と言う感じで、今回はここまで。


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