■それがフィラデルフィア

さて、今回はフィラデルフィアの街のイカシタお店を紹介するぜ。

「さいですか」

まずはこれだ。



「なにこれ。なんか座禅組んでる絵があるから、またヨガ?」

いや、これは看板にあるようにサイキック リーディングスのお店だ。

「…手ではなく、超能力で本を持って読むお店?」

いや、サイキックに超能力の意味を持たせるのも和製英語なんだよ。
予知能力といった意味は無くもないが、少なくとも念動とかテレポートとか、
そんな意味はPsychic には無いんだ。
そういうのはSupernatural power と呼ぶのが普通だろう。

「じゃあPsychic readings ってのは、どういう意味なのさ」

霊能力、予言者、といった意味が近い。
よって、よく見る水晶玉を使って未来を見る占いとかが、
サイキック リーディングで、つまり占い全般の事に過ぎないんだ。
よって場合によってはタロットや占星術もサイキック リーディングに入る。

「じゃあ、あの座禅の絵は」

それが注目で、先に見たように少なくとも東海岸ではヨガがかなりの流行だ。
それに乗っちゃったんじゃないかなあ。
とりあえず、詳細は不明だけど、よく見ると複数形なので、
いろんな種類の占いがあるのもしれん。

「5ドルなら、実際に確かめてくればよかったのに」

あ、なるほど、その手があったか。



「…なんか原始人の人がタコスに驚いてますが」

これはファーストフードのお店のポスターなんだが、
左手前の人、耳がとがってる。

「それが?」

アメコミにも日本のマンガのように各種“記号表現”があって、
耳が尖ってるのは異星人か異次元人を現すんだよ。

「それが?」

これ、左側の人物が全能なるタコスよ!と叫んでるでしょ。
通常、AlmightyはGod と一緒に使って全能なる神よ、といった意味になる。
なので、これは異世界だか他所の惑星だかで、
神のようにあがめられてるタコス、という図柄なのさ。

「神様を食べちゃだめじゃん」

まあね。
でも木曜日の夜6時から8時限定らしいが、
このタコスが1ドルだってんだから、現在のアメリカの
狂乱物価を考えると、実際、神みたいな存在なんだろう。

「そういうもんかねえ」



最後はこれ。

「看板に指紋?」

いや、名前の通り、これ渦だろう。
日本食の店、スシバーの店名のようだ。

「なんで渦?」

わからん。
おそらく輪廻とか、螺旋とか、そういった辺りの勘違いじゃないかなあ。

「微妙だねえ」

が、おそらく日本中にある英語の看板の4割前後は、
英語圏の連中から見るとこんな感じなんだろう。
日本人の私から見ても、どういう英語なんだこれ、
というのが、いくらでもあるし。

さすがに誰か止めるヤツはいないのか、というのでは
やたら見かける、Dust box というゴミ箱の英語表示。
何が言いたいのかわからず、30分くらい悩んだが、
どうもこれクズカゴの直訳らしい。

ゴミ箱は英語ならTrush can、Garbage can といったところになるし
そもそもDustはホコリの意味であって、ゴミを意味しない。
星くずがスターダストなら、屑箱はダストボックス、
という変な日本語的連想なんだろうな、これ。
でも、直訳するとホコリ箱で、普通の英語圏の人間には
まず意味が通じないだろう。

「なるほど」

といった感じで今回はここまで。
次回から、いよいよ最終日(帰国前日)に突入だぜ。

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