■食事の技術
さて、今回は水兵さんの食事の技術についてだ。
「なにそれ?」
水兵さんの食事用テーブルは折りたたみ式で極めて簡素だ、
というのは既に見たが、実はさらに上があったのさ。
「はあ、さいで」
それがこれ、右下の写真だ。
「え?テーブルが吊られてる?」
その通り。
さすがに丈夫なワイアを使ってるようだが、
食事のテーブルがブランコのように天井から吊り下げ式なんだよ。
「ゆれるでしょ」
ゆれるだろうなあ。
5000tクラス船のだと波が高い時とか、それほど安定してるとは思えないし。
実際、右手前の水兵さん、テーブルを抑えてるように見えるしね。
これで食事をするのはそれなりの慣れと経験が必要だったような気がするぞ。
「なんでまたこんな…」
どうもこれ、このまま上に持ち上げて天井に収納できたらしい。
その後は、例によってハンモックを吊るして寝るわけだ。
「そこまで場所がないなら、士官居住区のムダをなんとかすりゃいいのに」
だよねえ。
お世辞にも頭がいいとは思えないところだ。
「これもそう?」
そうだね。
時代がちょっと新しいようだが、19もあったテーブルの一つだそうだ。
これも手前の人、テーブル抑えてるように見える。
「大変だね」
なんだかなあ、という感じだよね。
ちなみに、この写真はさらに注目すべき点がある。
向こう側の席に、黒人の水兵さんが居て、
ごく普通に他の水兵と食事をとってるんだよ。
「あ、ホントだ」
おそらく第一次大戦期の写真じゃないかと思うんだが、
強烈なまでに人種差別が残っていた時代で、
そもそも黒人の兵隊さんが珍しい時期だ。
そんな中で、普通に白人水兵と一緒に生活してるのは驚いた。
個人的には軍も黒人差別に一役買っていたと思ってたのだが、
逆にこういった面もあったらしいね。
「へー」
といった感じで、今回はここまでだ。
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