■水兵さんの部屋



その先で、やけに開けた、壁も鉄板むき出しの空間に出る。
これまでの士官空間とのあまりの落差に、
倉庫か弾薬庫?と思ってしまったんですが、
こちらが水兵の皆さんの居住区なのでした(笑)。

ホントに、なんなんだ士官と水兵の扱いに関するこの落差は…。

特権階級が存在しなかったアメリカで、ここまで貴族趣味を爆発させた組織は、
国会議員と軍隊くらいじゃないでしょうかね。
それって全部、国民の税金を使ってやってるわけですが。



で、ここにも6ポンド砲があったわけですが…
あれ、さっきのお偉いさんの部屋で見たのと、どう見ても別物です。



ちなみに、これがさっき見た6ポンド砲。
こちらの方は、周りにいろいろ付いていて、やや大型です。



水兵居住区の6ポンド砲の砲尾はこんな感じ。
肩当て、さらに取っ手と引き金(右下)が見えていて、
いかにもここで狙って撃ちます、とい感じがするので、
どうもこっちがオリジナルのオチキス6ポンド砲のような感じもしますが、
あんまり資料がない部分なので、断言はできません。

とりあえず、この後も両者の6ポンド砲が混在してました。
レストアした時に6ポンド砲ならなんでもいい、という事になったんでしょうかね。

もっとも、同じ砲弾が使えたから、当時からさまざまな砲が混在していた、
という可能性もゼロではありませんが…。



で、当然のごとく、水兵さんはハンモックで寝るわけです。
上の梁の部分に見えてるフックは全てハンモック用です。
壁に見えてるいろんなフタの類は、この時代の軍艦ならではの装備ですが、
これは次回説明します。

とりあえず、1902年の現役復帰時には395人の水兵さんが乗っていたとの事ですが、
ここにハンモックを吊るす事で246人が寝れたそうです。

3交代でも2交代でも余裕ジャン、と思っちゃいますが、
実はここ食堂を兼ねてまして(台所は別)、このため
少なくとも半分は空けておかないと食事が取れなくなってしまうのです。
例の士官用の贅沢なテーブルと食器を考えると、なんともはや。

ちなみに士官は艦長などを含めても33名しかいないのですが、
その33名の居住区が艦の後半1/3以上を占めていた、という事になります。
ここまで来るとアメリカ海軍、
軽くアタマが狂ってるんじゃないか、という気がしてきましたよ(笑)。


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