■それしか楽しみがないのだ
さて、というわけで、これまた2007年のUSSパンパニト見学で衝撃を受けた
アメリカ海軍の食事について、6年ぶりに見てみよう。
「さいですか」
前回のは感謝祭のスペシャルメニューだったが、こちらは通常の日のものだ。
ただし、終戦後だいぶ経ったベトナム戦争時代、1968年のものだけど。
「ほな行ってみましょか」
うむ、そうしよう。
写真の1968年12月19日のメニューを見ていこう。
まずは朝食。
冷凍フルーツジュース
冷凍フルーツ
カナダ風ベーコン
好みの調理をした卵
バターつきトースト
牛乳
コーヒーか紅茶
「好みの調理をした卵って何?」
私が卵に関心を持つと思うかい?
「あんたの好き嫌いはとりあえず置いとけよ」
おそらく目玉焼きやスクランブルエッグなどから
好きなのが選べたんだと思うが、詳細は不明だ。
「結構贅沢だね。これが日常メニューなんだ」
だよね。
実際、金を払って泊まってた今回のホテルの食事より、
給料もらって食べてるこっちの食事の方がよっぽどマシなんだぜ。
「安ホテルに泊まるからだろ。食費は給料天引きじゃないの?」
士官はそうだったが、一般水兵は基本的に無料だったはずだよ。
下士官はよくわからないが…。
で、次は昼食を。
グリルビーフステーキ
ベークドポテト
サワークリーム
フライド オニオン
野菜のバター炒め
トマトとレタスのサラダ
アイスクリーム サンデー
牛乳
コーヒーか紅茶
「…すごいね」
すごいよなあ。
少なくとも私は今回の旅行中、こんな食事は一度もしてないぞ。
「それは自業自得でしょ」
というか、日常でもこんな昼ごはん、食べれ…ないよ…
「…泣くなよ、泣いたら自分が惨めになるだけだぞ…。
で、晩飯はどうなのよ?」
…ウウ、それはこんな感じだね。
ポークチョップの包み焼き
マッシュドポテト
肉汁のソース
蒸しキャベツ
えんどう豆とニンジンのバター炒め
トマトサラダ
パイ
バターつきパン
牛乳
コーヒーか紅茶
「…泣くなって」
…いや、いいんだ…、あんな閉鎖空間に居る連中が、
毎日こんな食事をしてたらあっという間にデブになるぜ。
ウヒョヒョ、ざまーミロ。
最後は私が勝つのだよ。
「良くて引き分けじゃないか、それ。しかし海軍は贅沢だね」
いや、最初に書いたようにこれは潜水艦だからだ。
なにせストレスがたまる職場なので、
こういった贅沢を許したんだと思う。
ちなみに解説板だと、これによって潜水艦勤務を志願する人間が増えた、
とされていたが、通常、軍の配属先は本人の希望に関わらず、
ほぼ一方的な命令で来たと思うんだが、
ここら辺りの事実関係はよくわからない。
1968年ならまだ徴兵制が生きていたから、人手不足も考えにくいし…。
といった感じで、今回も最後にミステリアスな雰囲気を残して、ここまでだ。
「さいですか」
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