■さあ乗船だ
そこから司令塔を振り返るとこんな感じ。
意外に背が低いのがわかるかと。
このフォルム、なんとなく1950年代のSF映画のカホリがしまする…。
こうして見ると艦橋部には透明ドームと窓があって、
海中でも外が見えてとっても楽しそう、と思っちゃいそうですし、
古いマンガやらを見てるとそういった勘違いは結構ある印象です。
が、先にも書いたように艦橋は浮上時にのみ使う場所で、
潜水時には水没します。
上の透明ドームは半球で後部はありませんし、
下の窓は浮上時の艦橋の明かり窓です。
カンヅメのッテッペンに穴を開けたような艦橋の内部は暗く、
このためハッチの開け閉めや海図の確認のために
明かり窓が必要なのでしょう。
他の戦後の潜水艦でも艦橋に透明窓があるものがありますが、
あれも浮上時の明り窓だと思われます。
そもそも、暗い海中でライトもつけないで潜行する潜水艦に
あんな狭い窓があったところで何の役にもたちませんし、
100m以上潜水する以上、よほど頑丈にしないと水圧で破壊されます。
入口。
潜水艦の艦内入口でも前後の魚雷室上のは魚雷を搬入する必要から、
やや大きめの入口になっています。
とはいえ、これは広すぎる気がするので(笑)、
一部が展示に当たって改造された可能性はあり。
ついでに階段の左右にカバーがされてしまってるので見えませんが、
本来ならここから上部構造と下の耐圧船体の接合部が見えるはず。
参考までに、再びサンフランシスコのUSSパンパニトの写真。
こちらは魚雷搬入口周辺にフタがなかったので、内部構造が丸見えでした。
前部魚雷室の出口から後ろを見てます。
下が耐圧船体部で、その輪状の桁部が左右で埋め込まれてる先が
外周部にはめ込まれた鞍型タンク部。
そこに映画のセットのような感じで周囲に取り付けられてる
ペラペラの鉄板が例のカバー部分、いわゆる上部構造となります。
上部構造の中まで潜水時には浸水してしまうのがわかるでしょう。
ちなみに正面は司令塔の付け根部分。
ここからが耐圧船体部分になりますね。
例によって軍艦らしい急角度の階段。
ここから記念碑のところで見た巨大な魚雷を出し入れしてたわけです。
魚雷室に入って最初に目に付くのがこれ、
天井からぶら下げられたベッドです(笑)。
先にも書いたように軍艦で最大の問題の一つが
乗務員の寝床空間の確保で、とにかく余裕が無い潜水艦では、
比較的広い空間が確保できる魚雷室に多数のベッドを持ち込んでます。
ただし実は一番うるさいエンジンルームから最も遠いのがここなので、
慣れちゃえば寝やすかった…のかなあ…。
艦内案内図で見た現在地。
微妙に中途半端な位置のような気がしますが、
既に説明したように、先端部はただのカバーというかキャップで、
その手前は魚雷発射管しかありません。
よって、まともに人が入れる最初の位置からキチンと見せてくれているのです。
ちなみにアメリカの大戦期の潜水艦は艦内はおおよそ2層に分かれますが、
主な構造は上の階層に集中しており、この見学でも見れるのは上の階層のみです。
ただし、さらに上にある司令塔は見れませんでしたが…。
という感じで、今回はここまで。
オマケも一回お休みです。
BACK