■USSニュージャージー ちょっといい話
てなわけで今回のお題はこれ。
「解説板?」
うむ、入口のすぐ横にあったもので、
タイトルにあるSTATSっ単語の意味が未だにわからんのだけど、
とりあえずUSSニュージャージーに関する豆知識、といった話が
箇条書きで書かれていた。
せっかくだから最後にその内容を紹介しておこう。
「例えばどんな?」
設計に関わった人たちの総労働時間は343万2000時間で、
一人で設計しようと思ったら206年かかるそうだ。
「どうやって測ったんだそれ?」
わからん。
当時の設計者のタイムカードを全部調べたとも思えないが…
まあ、とりあえずそれが事実として、
1000人で分担しても、1人あたり3432時間、
連日12時間労働でも286日以上かかるから、
まあ、戦艦の設計というのは大変な仕事だとわかる。
「なるほど」
でもってそうやって造られた設計図は総量で175トン、
30インチ(76.2cm)幅で1100マイル(1760㎞)分になるそうな。
「それをまとめた会社のビルは化け物か」
まあ、そうなるよね。
一度でも全ての設計図を一箇所に集めたなら、
物理的に会社が傾きかねない量だよ。
ついでに、先にも書いたように日本は終戦間際に
その兵器の設計図の多くを焼き捨ててしまったんだが、
日本の戦艦も同じようなものだとするなら、その設計図の焼却は、
もはや工場レベルの焼却炉が必要だったはずだ。
ある意味よくやったなあ、と思う。
で、そのUSSニュージャージーは1940年2月に建造がスタート、
船体部が完成して進水したのは約1年10ヵ月後の1941年の12月7日だった。
「それが?」
これ、アメリカ側の日付で真珠湾攻撃の日なんだよ。
日本側では12月8日だが、ハワイの現地時間は7日だ。
あまり気にされてるようすがないが、
ヨーロッパ戦線と異なり、太平洋戦争は
日付変更線を挟んだ戦争だったから、記録されてる日付が日米で異なるんだ。
資料を調べるときは要注意なんだよ、これ。
「さいですか」
ついでに、USSニュージャージーが全長で3インチ(約7.5cm)だけ
他のアイオワ級の3隻より長く、世界最長の戦艦だというのも、
これで初めて知ったんだ。
「世界最大?」
最大ではない、というか最大ってなんだ、
という問題があって、まあ、最長、だね。
ちなみに日本の大和クラスも、最大というよりは
最も重い、最重量級、という方が正確だろう。
あの船はデカイんじゃなくて、装甲積み過ぎで重いんだよ。
後はUSSニュージャージー艦内の発電装置は1万キロワット級で、
これは3万人程度の町の電力に匹敵するとか、
例の艦内パン屋は1日1800個(1斤×1800らしい)のパンが焼けたとか、
この艦が撃ち出した16インチ砲、5インチ砲、両者の砲弾数は世界最多だとか、
そういった話がズラリと載ってるのさ。
「まあ、すごいと言えばすごいが、ピンと来ないといえば来ないな」
ちなみにアメリカ海軍名物、アイスクリーム製造機は当然、
このUSSニュージャージーにも搭載されていて、
1日あたり946リットルの製造が可能だったそうだ。
「おお、すげえええ」
といった感じで、今回はここまで。
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