■指令系統

最後は、指揮所と分類不能部分(笑)を見て、おしまいにしましょう。



■8 艦橋

従来のアメリカ戦艦に比べるとかなり大型な印象があります。
アイオワ級戦艦の場合、旗艦としての司令部搭載能力のためとされますが、
実際に中に入って見ると分厚い防護装甲のため、意外に狭くなっており、
ここで艦隊の指揮をといわれてもキツイ気がしました。

内部はイギリスの巡洋艦、HMSベルファストに比べても、かなり狭く、
ここら辺りはエセックス級空母と同じで、どうもアメリカ海軍の
艦橋は基本的に狭いものなのかも知れません。

特にイギリス艦の場合、安全性確保のため、操舵装置は艦底部にあり、
艦橋にはないのですが、アメリカ海軍の場合、操舵装置は艦橋中にあります。
ただし、後で説明するように、恐ろしく分厚いシェルダーの中にですが。


■9 戦闘指揮所(Main fire control)

軍艦では艦橋の上にある、露天部で戦闘指揮を取るのが普通ですが、
このUSSニュージャージーでは艦橋屋上の
分厚い鋼鉄で守られたシェルター内にそれがあり、
ここで攻撃目標の選択、戦闘中の進路の決定などをを行います。
ちなみに戦闘指揮官は艦長とは別に居て、
通常は砲術長(Gunnery officer)が担当していました。

で、ここで目標を選定、それにしたがって先に見た
主砲射撃管制装置でデータを集め、
最後に艦内のアナログコンピュータが計算し、
その指示に基づいて各砲門は発射準備を行ないます。

それらが終了すると、ここで砲術長が主砲の引き金を引くのです。
ただし、非常時用に主砲射撃管制装置内部、あるいは砲塔内にも、
予備の引き金が設置されていたようですね。



これが艦橋屋上の戦闘指揮所。
つーか、ほとんどシェルターであり、外部なんか見えません。
真正面方向に気休め程度の窓がありますが、
艦首方向にむかって主砲を撃つ、追撃戦のみを想定した強気の設計なんでしょうかね。
(前方向射撃だと後部主砲が撃てないので、
同時に撃てる弾数が減る=命中確率が落ちるから追撃戦以外では、普通避ける)
ちなみにこの窓は下げる事が可能なようで、必要なら、直接外が見れます。

基本的には上に見えてる煙突のような潜望鏡で周囲を見て指揮を行なう、
という事になってたようですが、シェルターの外にも最低限の計器類はあり、
そちらでの指揮も出来なくはないようです。
とりあえず危険が迫るまでは外で指揮を取ったんじゃないかと思われますが…。
(20〜40qの距離で行なわれる戦艦砲撃戦だと敵艦の砲火が見えてからでも
着弾まで1〜3分前後かかるから避難まで十分な時間がある)

ちなみにこのシェルターも約440mmという分厚い装甲がなされてます。
ただし天井部は少々薄くて、185mm程度らしいですが。
さらにこれ、周囲の壁は下の床(艦橋の屋根)を突き抜けて艦橋内部にまで繋がっており、
一種の巨大な円筒となっています。
艦橋でも操舵手などは、このシェルター内に居ました。

ここら辺りの構造は、エセックス級の空母でも同じなので、
アメリカなりの生存性の確保、なんでしょうね。



■10 レーダーマスト

1982年の改修で追加された第一煙突上のレーダーマスト。
対空、対水上警戒レーダーと航海用レーダのアンテナが載ってる他、
目ぼしい追加は見えず、これなら元からあるレーダー塔に追加する、
でよかったんじゃないの、という気もします。
ただし、一番後ろに用途不明の背の高い棒が追加されてるので
何かこれが重要なのかもしれませんが、正直、よくわかりませぬ…。

■11 知らない人

気が付いたら写ってました。



はい、以上で大脱線編は終了です。
次回から、通常の旅行記に復帰しますよ。
という感じで、今回はここまで。


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