■本館1F東側



さて、では本館に突入するわけですが、
先に書いたように西側の半分は改装閉館中。
よって東側だけの見学となりますが、それでも凄まじい情報量になるのがスミソニアン。

とりあえず、今回は2、7、5、6の順に回って、1階の主要展示である
アメリカの交通以外を全て片付けちゃいましょう。
3、4のアメリカの交通は次回の攻略。

ちなみに紫色の1番の部屋が例のワーナーブラザース劇場です。



本館東側の入り口にデーンと置かれてるのがこれ、
ジョン・ブル(John Bull/イギリス野郎)と名付けられた蒸気機関車。
現存するアメリカの蒸気機関車としは最も古いものの一つらしいです。
この蒸気機関車、釜の前の胴体部分が木製でして、
これで熱に耐えられたんですねえ。

1831年(当然日本は江戸時代)にイギリスから輸入された機関車で、
ニューヨーク〜フィラデルフィア間で使われていたようです。
例のジョン・スティーヴンス(John Stevens)が現在の形のレールを発明した
この1831年前後にアメリカでは一斉に鉄道時代が始まり、
その鉄道ブームの中で輸入された機関車だったのでしょう。

で、よく見ると機関車の先端にさらに車輪がついてますが、
これは車高が高く、バランスが悪いこの機関車は、
アメリカのスティーヴンス式のレールではやたら脱線したため、
その転倒防止目的で取り付けられたものだとか。

ちなみに、今はフィラデルフィアと聞いても、アメリカの街だっけ?
といったレベルの印象しかありませんが、
第二次大戦ごろまで、少なくともアメリカの工業が有力だった時代まで
ここはアメリカを代表する工業都市で、ニューヨークに次ぐアメリカの大都市は
シカゴでもロサンジェルスでもなく、かつてはフィラデルフィアでした。

なので、ニューヨーク〜フィラデルフィアは日本で行ったら大阪〜東京に
匹敵する重要ルートだったわけです。
ちなみに当時は徒歩で2日かかった両都市間が、
わずか5時間で到達可能となったのだとか。

さらに、機関車が乗っている鉄橋はアメリカ初の鉄道鉄橋で、
1845年にフィラデルフィア郊外の運河に架けられたもの。
ただし、当時は木製の橋が普通であり、
わざわざ、運河に架ける短い橋を鉄製にしたのは、
強度的な問題からではありませんでした。

当時、鉄道に仕事を奪われることを恐れていた
荷運びボートの船員が、仕事場の運河上に
鉄道の橋が架けられたのを見て激怒、放火して落としてしまったんだとか。
驚いた鉄道会社側は、その対策として、
燃やせない鉄橋に付け替えたのだそうな。



では、メイン展示の一つ、アメリカの食べ物 
1950〜2000年までの変遷、を見て行きましょう。
タイトルからして2001年ごろに作られた展示だと思うんですが、
前回来たときは見た記憶がないんですよね、これ。


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