■世界はリスで溢れてる

さて、今回はリスの話だ。

「リス?」

アメリカではちょっとした緑地や住宅地、
それどころかグランドキャニオンのど真ん中でもリスがいる。
日本のスズメやカラス、ノラ猫に近い感覚だろう。

「さいですか」

まあ、かわいらしいのだが、
ワシントンD.C.周辺はあまりにこれが多かった。



こういった感じでモール周辺の緑地にはほぼどこでもリスが居るし、
さらにはアレクサンドリアの住宅街でもよく見かけた。



それどころか、後で訪れるアーリントン墓地もリスの天下だったのさ。

「ほんとにどこでもいるんだねえ…」

不思議なのはノラ猫やカラスをほとんど見なかったんだ。
今回、これだけ動き回ってカラスは朝のゴミ捨て場でほんの数羽見ただけ、
ノラ猫にいたっては深夜の第二次大戦メモリアルで
やっと1匹見かけただけだ。

「なんで深夜にそんなとこに行ったのよ」

それは後のお楽しみだ。
が、もし日本並にカラスやノラ猫が繁殖してたら、
やつらは半端じゃないハンターだから、
こんなリスの集団なんて、10年で壊滅してしまうんじゃないかと思う。

「カラスとノラ猫が少ないからゆえの生態系?」

ある意味正しい姿なのかもしれないが、
カラスや猫の繁殖力も半端じゃないから、
都市周辺でここまで居ないのはどうも不自然なんだよ。

「でも居ないものは居ないんでしょ」

まあね。
ただカリフォルニアやネバダの人もまばらな砂漠の真ん中なら、
さすがにカラスもノラ猫も生きて行けないだろうが、
これだけ環境のいいワシントンD.C.周辺で
ここまでいないのは、どうも違和感があるんだよね。

もしかして行政府が定期的にカラスとノラ猫狩りをやってるのかと思ったが、
そういった事に神経質な動物保護団体の活動を見る限り、
そんな動きは見当たらない。
江戸期の日本の三味線屋が大量にタイムスリップして来て、
ここで猫狩りをやってるのかとも思ったが、
周辺でチョンマゲをしてる人は見かけなかったし。

「そりゃそうだろうよ」

となると、合理的な回答は一つだけだ。

「つまり?」

ワシントンD.C.周辺の生態系の頂点にいるのはリスであり、
彼らはノラ猫やカラス狩りを自ら行なってるのさ。
我々が見るカワイイ姿はその上辺だけに過ぎない可能性が高い。
それどころか、実はすでにワシントンD.C.はヤツラにのっとられていて、
大統領らも既にリスの配下にあるかもしれないぜ。

「ああ、そうだねえ」

実際、ヤツラの顔をよく見ると、人間を見て笑ってるんだよ。

「いや、リスって最初からそういう顔だから」

まあいい、いずれ真実はあきらかになるさ。

「さいですか」

はい、今回はここまで。



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