■ボストンの光と影
さて、新しい職場に行ったら、上司が豚さんだった。
「…もう帰っていい?」
すなわち、ボス豚。
「………」
おいおい、ペロ君、ここは笑うところだよ。
泣いてどうする。
さあ、感動は後回しにして、
今回のオマケコーナー、行ってみようか。
」
「…なにこれ?」
アクアリウム駅にあったゴミ箱に貼り付けられた看板だよ。
「変なオッサンの絵と…なんて書いてあるのさ?」
S&Jサービスというのは、この地下鉄を運営する公共機関の清掃部門らしい。
で、S&Jサービスがこの路線の清掃を担当してますが、
もし、汚れの見落としがありましたら、
お客様申告窓口にご連絡をください、と書いてあるんだ。
「立派なものだね」
全くだ。
まさかアメリカでこんなプロ意識の高い
公共機関を見かけるとは思わなかったのでちょっと驚いた。
が、よく見るといろいろアレなんだよ、これ。
「この変な絵?」
それが1/3。
残りは文章だ。大きな文字の部分にbetween
the lines とあるでしょ。
これは直訳すると線と線の間、なのでその上の
Cleaning this station
とあわせて路線(ブルー、オレンジなどの路線がある)
と路線の間にある駅の清掃はS&Jが行なっています、となる。
「なんか変な言い回しだね」
その通り。普通に、駅の清掃をしてます、だけでいいはずなんだ。
実際、between
the lines は一種の慣用句であり、
You heve to read between the
lines
といった感じに使うのが普通なんだ。通常、こんな使い方はしない。
慣用句の例文におけるLinesは文章の行間のことであり、
まさに行間を読め、 つまり文章の背後に隠された真意を読み取れ、
間違っても文面通りに受け取るなよ、といった意味になる。
「となると?」
写真の看板の文面は、この慣用句を踏まえたうえで、
「路線の間」と「行間」を引っ掛けた
一種のダシャレになっていてる、という事だ。
でもって、この場合、二つの意味が考えられる。
一つ目は、路線と路線の間の隠された汚れも全てキレイにします、
という上昇志向のダジャレだ。
「立派なものじゃん」
まあね。
が、本来の意味で行間を読め、と考える事もできるんだよ。
主語も動詞もなしで、Between
the lines
、という使い方もするからね。
そういった意味だ、と考えた場合、
この下に清掃忘れがあったら知らせてね、と書いてあるけど、
間違っても本気にして通報したりすんなよこのマヌケ、
という意味にも取れるんだよ。
「…あれま」
こういった実にメンドクサいユーモアが
東海岸の文化なのかなあ、と思ったわけだ。
はい、今回はここまで。
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