■21世紀のエアー

さて、今回のおまけコーナーだ。
ペロ君は論理を超越した説得力ある結論をどう思う?

「なにそれ?」

例えば、美人薄命、といったように、前後の因果関係が
全く不明なんだけど、なんとなく説得力を持ってしまうケースだ。

「それが?」

その極北、というべきものが私の子供時代に流されていた
牛丼の吉野家のTVコマーシャルなんだ。
お父さんが子供に吉野家の牛丼を買ってくるのだが、もらった子供は
「やったぜパパ、明日はホームランだ!」
と大喜びなのさ。

「で、それが?」

いや、どう考えても牛丼を使ってホームランを打つ方法がわからないんだよ。
相手のピッチャーが投球モーションに入った瞬間に顔にぶつてやる、とか
子供心にいろいろ検討してみたが、最終的にどういう野球理論に基づくのか、
実は未だによくわからない。

「もう帰っていい?」

まあ、待て。
おそらくどんな最先端の野球理論を使っても、
この謎は解けそうにないのだが、実に非論理的ながら、
それでも牛丼さえあれば甲子園も夢じゃないかも!
と思わせてしまう、無視できない説得力があるんだよ、このセリフ。

「そうかねえ。で、それが?」

そんな牛丼の吉野家が、30年ぶりに私に対して
大ホームランをかっ飛ばして来たのさ。

「…はい?」

それがこの写真だ。



「機内食の…牛丼?」

正解。
今回の行きの飛行で朝食、2回目の食事として出てきたのがこれだ。

「まあ、珍しいかもしれないけど、だからどうしたという気がするぜ」

まあ、そう言わずに、これを見てみたまえ。



「……」

……

「えー、AIR吉野家ですか」

はい、そうです。

「これはなんですか」

左下の本文にAIR 吉野家にようこそ、と書いてあるから、
エアギター、空気イスのように、
まるで実物の店舗がそこにあるかのように振舞うがよい、
というメッセージじゃないかなあ。

「スゴイ種類のサービスだねえ…
乗客の創造性に挑戦しすぎだという気がしますが」

まあ、なにせ21世紀だからな。
ちなみに右上の掛け算の式もよくわからん。
牛のマークと鶴のマークを掛け算しろ、という事らしいが、
それぞれが何の略号なのか説明がないんだ。

「そりゃないだろうよ」

鶴亀算のカメを牛に変えろ、という事?

「さあね。こんなネーミングではどっちも×だ、という意味では」

それも非論理的だねえ。



ちなみに、牛丼そのものは少し量が少ないものの、ごく普通の内容でした。

はい、今回はここまで。



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