さて、ペロ君、久しぶりのオマケコーナーはこれだ。

「ああ、前回もちょっと触れた国府多賀城駅の通路の名前」

正直、人の揚げ足取りのような記事はどうかと思うんだけど、あまりにちょっと酷いので、まあ止めた方がいいよという意味で取り上げてみたい。

「さいですか。で、問題は?」

まずこれ、回廊では無い。

「はい?」

下に連絡通路とあるのが正しい。橋上駅の左右出入り口を繋ぐだけの通路、すなわち線路を跨いで反対側に出るだけの直線通路をこう呼んでいるんだ。まったく回って無い直線通路で、それを回廊と呼んでいるのは全銀河系でも極めて珍しい例だろう。というか明確に日本語としておかしい。

「あれま」

あとそのローマ字というかアルファベット表記。Roman Kairoだとローマ人の回廊といった意味になってしまう。すなわち多賀城遺跡は古代ローマ人の遺跡だというトンデモ学説のような意味にも取れる。恐らく日本語の「男のロマン」的な意味のつもりなんだろうが、Romanにそんな意味は無いんだ。Koreanが韓国人関係を意味するのと同じく、ローマの、ローマ人の、といった形容詞的な意味しかない。誰も辞書を見なかったのか、これ。

「キリストが青森で死んだ説みたい」

百歩譲ってここだけフランス語だとしてもロマンス語圏民族、文化の回廊といった意味になるだろう。アルファベット表記しか読めん西洋文化圏の人間からすると「日本の古代遺跡がある土地で何で古代ローマやロマンス語圏が出て来るの?」といった余計な誤解を産む事になる気がするぞ。「ロマン」が夢とか希望とか愛とかいった情緒的な事を意味するのは完全に和製英語と言うか和製フランス語なのだ。もし「男のロマン」的な意味でやってるなら、Romanticにしないと意味が通じないだろう。

ちなみに恋愛や冒険と言った傾向を持つ小説の集団、Romanticismを日本に紹介した夏目漱石は、これを「浪漫主義」と正しく訳すと同時に省略して「浪漫」と書く事も多かった。よって、そこから産まれた誤解と言う面が少なからずある。そういった意味では漱石にも非があるんだけどね。

「ロマンス語って何?」

ラテン語の末裔みたいなもんなんだけど、その定義はややこしいので、ここでは触れない。

「あれま」

ホント、和製英語と言うか中途半端な外来語はなんとかしないと、完全な文化汚染だと思うぞ。そろそろ、本気で何とかしないとならん気がするけどね。といった感じで、今回はここまでだ。

「あれま」

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