さて余呉湖北岸部に出ました。この辺りが柴田軍主力が最後の死闘を展開した場所。でもって奥の山の右側、ちょっと木がまばらになっている辺りが賤ケ岳の砦。すなわち湖面の向こう直接見え、その直線距離はざっと3q。いわゆる半鐘を鳴らすと直線距離が2q以上でも聞こえる、とされるので、より遠くまで響く、すなわち低音が出せる太鼓などを持ち込めば、砦から軍勢の指揮は不可能では無いでしょう。鉄砲を決められた回数撃つ、という手もありますし(火薬の爆発音はエネルギーの塊の衝撃波だから到達距離は長い。花火などは障害物が無い場合3qを越えても余裕で聞こえる)。 実際、高山右近から話を聞いてまとめられたイエスズ会の報告には、何らかの鳴り物で指揮を執っていた、という記述がありますし。戦場全体を見渡せる利点を考えると、賤ケ岳で秀吉が指揮を執った可能性は高いかと。 その美しい光景を眺めながらしばし休憩。ふと見ればリュックのベルトに虫が張り付いてました。息を吹きかけても動じず、以後、しばくらく一緒に歩き回ることに。 湖岸北部は公園になっており、そこを歩いて見ます。いやはやホントに楽しいし美しい。賤ケ岳の合戦は少なくとも万単位の兵で行われた合戦の中では、もっとも美しい土地での戦いだったろうなと思う。それは同時にとても残酷な光景でもあったでしょうが。 といった感じで賤ヶ岳周辺で見たかったもの確認は凡そ終了したので(全部ては無いんだけどね)、次の目的地、木之本に向かいましょう。余呉湖北岸には余呉駅があり、ここから一駅で朝に利用した木之本駅に戻れるのです。列車は1時間に1本ですが、後15分後。ちょうどいい感じなので、そろそろそちらに向かいましょう。ちなみに写真右側に見えている尾根筋の上には羽柴側の岩崎砦がありました。その一帯からこの平地まで佐久間玄蕃率いる柴田軍は撤退して来たので、この一帯で主力部隊どうしの死闘が展開されたはず。 歩きながら湖岸方向を見る。既に6月ですが、まだ田植えは終わったばかりに見えます。 途中で左折、この先が駅です。 余呉駅に到着。ちなみに駅周辺に商業施設は何一つなし。それどころか家も数軒あるのみ。でも意外に利用する人、見たんですよね。ついでに駅前のバス停を確認。明日の朝一でここから旅立つ予定なので。 |