さて、ペロ君、最初に述べたようにこの日は運転地獄になったのだが、そこまで疲れず、かつ移動距離の割には移動時間が掛かって無い。

「さいですか」

いや、ここはなんで?と知的好奇心を示すところだよ。

「はいはい、なんで?」

答えは単純、信号が事実上無いからだ。東の仲間港から西の果ての白浜までは県道215号経由で約40q以上あるんだけど、途中にある信号はたったの二つだけなのさ。スタート地点とも言える仲間港横の大原信号を通過した後、途中の上原信号が青だと、事実上、一度も止まらずに走り続けられるんだよ。対して制限時速は40qに抑えられてるので、結構起伏がある道なのに燃費はベラボーに好い事になる。返却時に確認したらリッター19km走ってた。軽自動車とはいえ、途中で冷房も入れてこれだから、驚異的だろう。

「逆に西表島で信号がある場所ってどこなのよ。集落の中心部?」

いい質問だね。一つは正解。それが島の東側、仲間港の手前にある大原信号だ。



「普通の信号だね」

普通の信号だ。ただしこれ、日本最南端の信号らしい。

「へー」



ちなみにもう一ケ所がこちら。島の北西部、上原港の側にある信号機。

「意外に寂しい場所にあるね。というか、あんた島の信号機をいちいち写真に撮ってたの」

なんか気になったんだよ。そもそもここT字路であり、十字路ですらない。県道215号は確かに島で一番の幹線道路だっが、それでも毎分一台も車が通過するかどうかだろう。

「じゃあ、なんのために」

私もそう思っていたら、この日の夜にお願いしていたホタル鑑賞ツアーのガイドさんが、あっさり教えてくれた。この横に保育所と小学校があり、その子供たちに信号の役割を教える教育用信号だそうな。確かに、大原の信号は遠すぎて見に行く機会は無いだろう。そういった意味で、島の西側で一番賑やか上原に信号を置くのは理にかなってる。

「へー」

ちなみに西表島には高校が無いので、石垣島か沖縄本島に渡るしか無いんだとか。ちなみに沖縄本島には石垣島なども含めた離島の子供用の寮があるらしい。その時、初めて信号を見て渡り方が判らず困らないように、という事なんだろう。

「なるほど。そういや西表島の学校って日本最南端じゃないの」

いや、その点はさらに南の波照間島に小中学校があるから、そっちが最南端になる。といった感じで今回はここまでだ。

「さいですか」

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