さて、今回も引き続き、ハーブ園の看板のお話だよ、ペロ君。

「さいですか」



「ああ、またイノシシだ」

そうなんだけど、今回は英文の方が主だ。前回も少し触れたけど、なんかここの英語表記、微妙に変なのよ。

「そうなの?」

妙に凝った表現をやろうとしてるのか、と思ったんだけど、どうもバイトの学生が辞書引きながら直訳しまくってるような印象もある。ギリギリ意味は取れるけど、国際的な観光都市の看板としてはどうかな、というモノだったのよ。

「あれま」

例えば、最初のデカい文字での警告、You are now Leaving という表現、ここからはハーブ園の外に出ちゃうよ、という警告なのは判るけど、これ、普通は行政地区から出る時に使う文章なんだ。
アメリカで道路を走ってると州境や市町村の境界によく出てて、市外に出る、とかカリフォルニア州を出る、といった場合に使うものなんだよ。よって日本語では越境、という感覚が近い。なのでハーブ園を出る、といった場合はあまり使わないんじゃないかなあ…。
この表記も単純にEXITだけでいいと思うぞ。簡単に再入場できちゃうんだし。

「さいですか」

さらにその次の文章は基本的に何が言いたいのか、よく判らないものになってしまってる。
例えば、We kindly ask you は間違いではないけど、こういった場合に使うかな、という気はするし、必ず扉を閉めて、という意味なんだから丁寧な命令文である Please close the door という単純明快な文章でいいと思うのよ。なんでこんな妙な文章にするのか、よく判らん。
そしてその続きのthe door behind you、は完全な誤訳だろう。なんで目の前にあるこのドアが“あなたの後ろのドア”になるんだか、全く理解できないぞ。

「外に出た後、後ろのドアを閉めてね、という意味じゃないの?」

ああ、そうか。でもその場合も確実に意味が通じないだろう、これ。そして最後は例のfrom coming inside がまた登場してる。ここの担当者はよほど下ネタが好きなのか、と思ってしまうところだ。

「さいですか」

でもって一番下の文章はほぼ滅茶苦茶なんだけど、とりあえずVisitors wish to use〜 ってな表現は見たことないし、意味的にもちょっと違わないか。あとgo back じゃなくturn back の方がいいと思うので、もう単純に If you are taking the Ropeway, please turn back.とかでいいんじゃないかなあ。中国語、ハングル表記が無いので、ネイティブ以外の人にも理解してもらわないとなんだし。

「さいですか」

という感じで、今回はここまでだ。

「さいですか」

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