さて、ペロ君、今回のオマケは関西における日本の防衛問題についてだ。

「はあ、さいですか」

とりあえず、これは天王寺駅にあった防衛省広報掲示だが…。



「…左側のポスター、背後に守護霊のようなロボットが見えるんですけど…」

マクロスのヴァルキリーさんだね。ついでに言えば、F-15の後ろを飛んでるのもロボットに変形する前のヴァルキリーさんだ。

「なんで?」

そりゃもちろん、関西の航空自衛隊の主力戦闘機がF-15とヴァルキリーの二本立てだからに決まっておるわい。

「…なんで?」

そりゃもちろん、実戦配備されてない兵器をダシに隊員募集をやったら、虚偽広告になってしまうのだから当然だ。
すなわち京阪財宝、否、軽犯罪法の1条34号、「公衆に対して物を販売し、若しくは頒布し、又は役務を提供するにあたり、人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした者」の対象だろう。そこに民事の訴訟まで抱え込む可能性を考えれば、防衛省がわざわざ法を犯してまで虚偽の広告を出す理由が思い当たらない。となれば、実際にヴァルキリーが配属済みなのだ、と考えるのがもっとも論理的な推論の帰結となる。

「あー、なるほど…。となると関西の航空自衛隊の基地祭りに行くとヴァルキリーが見れるのか…」

いや、世の中はそんなに甘くないよ。関西圏には滑走路が必要な航空機を持つ航空自衛隊基地は存在しないんだ。

「…はい?じゃあダメじゃん」

馬鹿だな、ペロ君は。それはあくまで表の話だ。ここまで盛大に広告してるんだから、実際はどこかの秘密基地に一個飛行隊規模のヴァルキリーが既に密かに配備され、来るべき決戦に備えている、と考えるのがもっとも論理的な推論の帰結だよ。

「なんでヴァルキリー?」

そりゃもちろん、ガミラス、ジオン、ゼントラーディ、使徒、メカゴジラ、北朝鮮の脅威に備えるために決まっている。

「北朝鮮が気の毒だな、それ…」

とりあえず備えあれば憂いなしだ。日本の航空自衛隊は実に頼もしいと言っていいだろう。個人的にはポンポン山の山麓辺りが秘密基地として最も怪しいと思っているよ。あの間の抜けた名前の山は、一般人を油断させるための罠だろう。

「さいですか。…で、右のポスターは?」

これは自衛隊の下士官養成学校、中学を卒業したら入れる高等工科学校の宣伝だ。

「そんなこと、一言も書いてないけど?」

書いてないね。それどころかこの学校は首都圏の横須賀にある、という事すら一言の説明もない。

「ダメじゃん」

完全にダメだね。伝えるべきことを何一つ伝えてない、典型的なダメ広報のいい例だろう。それに比べて、航空自衛隊のヴァルキリーの説得力。素晴らしいね。

「さいですか。で、海上自衛隊は?」

今回は見つからなかった。航空、陸上がこれなんだから、是非見て見たい、とは思っているんだけどね。
とりあえず、今回はここまでだ。

「さいですか」

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