さて、今回は北の大地の彫像の最終検討会だ。

「さいですか」

まずはこれ。札幌駅の大通路の改札前にある彫像二つだ。



「死んでるじゃん」

いや、弓矢は顔を貫通してるんじゃなくて、口に咥えてるんだよ。言うまでもなくアイヌ民族を題材にしたもので、イランカラプテ像となっていた。

「どういう意味?」

アイヌ語で、こんにちは。

「この姿勢と武装で?」

…どう見てもサイコパスだよな、これ。
実際、遠くから見ると矢ガモの人間版にしか見えんし。私が調べた範囲では、アイヌ人がこんにちわ、という時に弓矢を咥える風習は無いはずだ。なんでこのポーズ、というのは正直、よく判らん。



で、その横にはこれ、人魚姫像。貝殻ビキニ等の着衣は一切なしだ。
こちらはデンマークのコペンハーゲンにある有名な人魚姫像の1/2縮尺のレプリカで、JR北海道とデンマーク国鉄が姉妹関係を提携していた時代に記念に送られたモノらしい。

「…なんでこの組み合わせで置いてあるの?」

よく判らん。単に置く場所が無かったんじゃないかなあ。というか野性味あふれるアイヌのオジサンの横だと、漁獲対象にされそうで、個人的にはドキドキだ。

「さいですか」



お次はこれ、新千歳空港で国際線に発着ターミナルに向かう通路にある下半身裸で上半身は妙に凝った服装の像。

「え?なんでその格好?」

全く判らん。恐らく空港のボスの性癖によるものじゃないかな。

「…言ってる意味が判りませぬ」



じゃあ、こちらも見たまえ。同じ通路にあった、ピチピチ、スケスケの衣装で明らかに下着を付けてない女性像。

「…空港のボスの性癖だね」

な、それ以外に説明のしようが無いだろう、これ。道庁の素っ裸の親子像といい、北海道の人々は芸術とエロ性癖を同義にしてると言っていいだろう。

「してるね」

…冬が寒すぎるから?

「さあね」

という感じで、今回はここまでだ。おそらく、次回が最終回だよ。

「さいですか」

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