さて、今回のオマケ編は21世紀の仏教寺院についてだよ、ペロ君。

「さいですか」

まずは境内で見かけたこれだ。



「モノリスみたいな看板だね」

いやこれ、液晶モニタを組み込んだ電子掲示板なんだよ。やけに明るい看板だな、と思ってたら次々に絵柄が変わって驚いた。最近は都心でもこういった液晶モニタの観光案内版が出て来たけど、まさか三井寺で見かけるとは思わんかった。

「21世紀の宗教だ」

まあ、そうだね。時代の先端を取り込み続ける、という点では正しい日本式仏教の形かもしれぬ。

「さいですか」




お次はこれ。三井寺、ネットでも現地の看板でも、その案内に強引なまでに二人組の女性が登場するんだけど、その一つ。

「体験コースがあるんだ」

ここの場合は仏教文化の体験会みたいなものだ。ただね、念珠、すなわち数珠を造るのをビーズブレスレットというカタカナ英語にするのはどうかなあ。一億歩譲っても数珠は腕輪、ブレスレットじゃないぞ。手で握る宝具だし、腕に巻いて日常のファッションにするような物でもない。ご丁寧に英語表記もあるけど、誤解を産む気がするなあ。さらにYou are free to make a combination、ってな説明も英語的にどうだろう。あまり適切だとは思えないけどね。そもそも珠の数は予め決まってるんだからそこまで自由じゃないし。
さらに言えば、この看板の英文、写経の解説は全く説明になってないし、山伏の説明にあるMiidera head templeという表記、総本山三井寺の意味なんだろうが、一瞬、三井寺のコメカミの事かと思ってしまったよ。右フックを一発食らったら、速攻でダウンだ。これ、英語的にどこまで正しいのか、ちょっと微妙だと思うけど…

「まあいいじゃん」

観光でやってかないとお寺も大変なんだろうから、仕方のない部分でもあるんだろうけどね…。
さらに細かい事を言えば、止観と座禅は仏教の歴史的な経緯、特に日本における平安仏教と鎌倉仏教の違いからして本来、別物だ。厳密に言えば思想的にも違う。表層は似てるけど、止観が禅を名乗るのはロリコンとポリゴンくらい違うと思うぞ。

「言ってる意味がよく判りませぬ」

まあいいや。とりあえず、今回はここまでだ。


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