十分な距離を取りながら帰りの階段を下る。まだまだ学生さんが次々と上がって来て、平日の速い時間ならゆっくり見学できるのでは、という自分の読みの甘さを痛感する。 ただしそこから先は皆さん我先にと出口に向かってくれたので、やや落ち着いて見学できました。でもやっぱりこれ、資料性は低いなあ、と思いながらですが…。中央の部屋の仕切り戸板もすべて西洋釘がバンバン使われておりました。まあ、これが腐っても構造強度に問題は無いからいいけどね、もう少し、ね、その、国宝なんだから… さらに一部、あきらかに全体この構造強度を担ってる場所に鋼鉄製のボルトが使われてました。天井の梁の左側を見てください。何か特殊な防錆加工をしてるのかもしれませんが、大丈夫なのこれ。そしてなんでこんなヒドイ修復をやったの、彦根の皆さん。 耐震化のために補強を入れるのは不可避でしょうが、あり得ない場所に平気で釘を打つ、本来の構造を改造してボルト絞めにしてしまう、はやりすぎでしょう。木材に打ち込まれた鋼は錆て腐るんですよ。さらに柱類のほとんどは入れ替えられてるので、この天守閣は昭和の工事でほぼ建て直されてしまってる、しかもかなり適当に、というのが正直な所です。ここまで見て来た櫓二つと合わせて、なんでこんな適当な補修をやったのよ、という疑問と、なんでこれが国宝なんだろう、という疑念が残ったのは事実です。 といった感じで思うところは多数ありながらも天守閣の見学は終了。今回はここまでとします。オマケ編もお休みです。 |