さて、ペロ君、2020年の旅行記では初のオマケ編の開始だよ。

「さいですか」



まずはこれ。例の東西アーケード街の入り口にあったビルの看板、カニトップ。

「カニ将軍とか、カニ道楽の仲間?」

それかな、と私も思ったんだけど、そんなお店、どこにも無いんだ。

「じゃあ、なに?」

全く判らんので帰宅後調べて見たら、仙台にある会社が開発した健康食品だった。カニの甲羅から取れるエキスを使ってるそうな。

「これだけでは判らないじゃん」

だよねえ。地元の人は、これを見て、ああカニトップか、そうだ今日はカニトップを買って帰ろう、と思うのかなあ。でも売ってる店がどこにも無いんだよな。でもって、このビルの問題点はこの看板だけじゃないんだ。一階のお店にも要注目なのだよ。



「これだ」

…そば屋さんじゃん。

いや、よく見てごらん、上にはアイリッシュ パブ ケルツの看板がありにけり。

「アイリッシュパブが潰れて、跡にそのままそば屋さんが入った?」

と、私も思って確かめて見る事にした。


ちょうどおばさん二人組が入店したのだが、中はどう見ても酒場の造りだった。が、店の前には、そばとうどんのメニューがあり、実際に中ではみんなでそれを食べてる。

「じゃあそば屋じゃん」

でもね、よく見るとビール専用のメニューも奥にあるし、デカいテレビとか、明らかにアメリカ系のスポーツバーな店の造りなんだ。

「でもそば屋でしょ。右手にそれっぽいメニューのバナー看板もぶらさがってるし」

まあ、そう思うよね。で、この段階では食事したばかりだったから、後で戻ってきて実際に入ってみようと考え、いったんは引き上げたんだ。

「で?」



その後、夕方5時近くになって戻ってきたら、こうなっていた。

「そば屋の看板とメニューが消えてる!」

その通り。すなわち、看板通りにアイリッシュ パブに変身してた。

「ええと、つまり…」

どうも昼飯時はそば屋、夕方以降は大人のアイリッシュパブに大変身というお店らしい。

「なんかすげえな」

うむ、プロ野球選手が、副業で市民文化講座の漫画教室の講師をやってるような違和感だ。

「いや、言ってる意味が判りません」

が、実際にここはそば屋であり、パブである。さらに言うなら英語表記ではアイルランド人とスポート バーらしいので、そば屋であり、パブであり、アイルランド人とスポート バーであるわけだ。アルファであり、オメガである、神であり神の子であり聖霊である、有であり無であり全である、みたいなものだな。

「さいですか。で、アイルランド人とスポート バーって何?」

私も知らない。
多分、 Irish Sports bar アイルランド風スポーツバーと言いたかったんだと思うが。まあ、そうだとしてもPub とSports bar は居酒屋とショットバー程度には本来違うモノなんだけどね。日本度ではアイリッシュパブと正しい呼称になってるのに、何でこんな英語表記をつけちゃったんだろう、という気はする。

「さいですか」

という感じで今回はここまでだ。

「さいですか」

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