せっかくなので望遠カメラでアップにして見る。手前には防御用ネットのようなモノが張られています。
こうして見ると、やはりデカい、の一言ですね。同じニミッツ級の先代空母USSジョージ・ワシントンには乗ったことがあるのですが、まるで浮かぶ超高層ビルだな、と思ったのを覚えてます。
でもって、すぐ横に海自の いずも が居るので、ここは二カ国の空母が一目で比べられてしまうという世界的にも珍しい場所だったりします。その印象を述べれば、そもそも比べるのが無理である、という感じですねえ。ちなみにざっと両者を比較すると、以下の通り。

   全長・全幅  基準排水量&Light Displacement
 DDいずも  248m・38m  約1万9500トン
 USSロナルド・レーガン  332.8m・最大部 76.8m  約7万400トン

*USSロナルド・レーガンの排水量は資料によりばらつきがあるが数字はアメリカ海軍NAVSEAのNVRサイトによる。当然、メートル法トンに換算済み。アメリカ式のショート・トンでは7万7607トン。
ちなみに海自の“基準排水量”にアメリカ海軍が公表してる数字で一番近いのはLight Displacementだが、両者の内容は微妙に異なる。自衛隊が世界に誇る(笑)基準値、基準排水量は人も燃料も兵器も何も積まない、純粋な艦の重さ。それに何の意味があるのは私には理解できない。対してアメリカ海軍の公表する最低重量、Light Displacementはそこに燃料と潤滑油と冷却水を積んだもの。要するに最低限動かさせる状態の重さ。よって自衛隊式の数字なら千トン前後は軽いと思われる。ただしこれだけ差があると、その辺りを気にする必要はない。単純に1/3の重さしかない(排水量=艦の重さ)、それだけ何もない、という事である。


やはり私なら、いずも は災害派遣以外に使いませんね。せめて空中警戒機を複数搭載出来て電子戦を仕掛けられるなら、話は別ですが。



第5空母打撃群のイージス艦たち。左端は駆逐艦のアーレイバーク級、右の3隻は巡洋艦のタイコンデロガ級で、タイコンデロガ級は全部、ここに集まっていました。

第5空母打撃群は通常で11隻のイージス艦を配備されています。
内訳は第15駆逐艦隊(Destroyer Squadron 15)の8隻のアーレイバーク級駆逐艦、そしてこの3隻のタイコンデロガ級巡洋艦です。CG- 54 アンティータム(Antietam)、CG-62 チャンセラーズヴィル(Chancellorsville)、CG-67 シャイロー(Shiloh)ですが、どれがどれかは艦首の番号が良く見えないので判りませぬ。まあ、どれも同じようなんもんですから、気にしない。

ちなみにタイコンデロガ級は巡洋艦であり、満載排水量で9600トン、最高速度は32.5ノット(約60km/h)。対して左端のアーレイバーク級は駆逐艦なんですけどフライトIIAで満載排水量は9100トン、最高速度は未だに非公開ながら30ノット(約54q/h)前後とされており、数字を見る限り、もはや駆逐艦と巡洋艦に分ける必要があるだろうか、という感じですね。
実際、正面から見ると明らかに巡洋艦のタイコンデロガ級の方が船体が細く、知らずに見たら、こっちが駆逐艦だと思ってしまうところ。両者には開発に一世代差があるんですが(タイコンデロガ級の方が10年以上早い)、いろいろ不思議な部分ではあります。

ついでにタイコンデロガ級の識別記号、CGのCは巡洋艦(Cruiser)の頭文字、Gは誘導ミサイルの頭文字で、普通に二文字になってます。やはりなんでアーレイバーク級はDDGなの、と思いますな。



最後にもう一度、自衛隊の岸壁前を通過。このころから少し雲って来てしまいました。
ちなみに手前がDD154 あまぎり、奥がDD153 ゆうぎり、のギリギリ姉妹が見えております。主砲を見れば判るように、どちらも1980年代末の艦なので、いろいろ気になるお年頃ではあるはず。



最後に海自のイージス艦、DD174 きりしま の前を通過。
新しい印象がありますが、これも1995年就役ですからすでに25年近い艦齢の船です。こんごう型のイージス艦ですが、一番艦のこんごうの就役が1993年、これはアーレイバーク級に遅れる事わずか2年ですから、今から考えるとかなり早い時期の登場ではありました。

ちなみに2019年現在、海上自衛隊の持つイージス艦は こんごう型が4隻、あたご型が2隻で計6隻。来年から、まや型が就役を始めますが、それでも2021年までに日本という国が持つイージス艦は計8隻。
対して、アメリカは第七艦隊の中核部隊、第5空母打撃群だけでイージス艦が11隻。そこに正規空母が加わるわけです。…ね、笑っちゃうでしょ。


NEXT