その海自の潜水艦のお尻。
ちょっと判りづらいですが、手前の艦のみが垂直の舵、奥の一隻と左の船がX字形の舵となっています。
X字形のは最新のそうりゅう型ですが、垂直のは、おやしお型でしょうかね。
ちなみに実はこの日この時まで、米軍岸壁に居るのが自衛隊の潜水艦だとは知らず、ずっと横須賀には日本の潜水艦は居ないと思っておりました。最近の米海軍の攻撃型原潜て小さいのね、くらいに思っておりました。
今回、なぜわかったのか、というと艦内の案内放送でそう説明してくれたからでございます。まあ、X翼のアメリカ潜水艦は存在しないので、日本の潜水艦とは判ったでしょうが、まさか司令部までアメリカ基地内にあるとは、言われなければ気が付きませなんだ。
その先に単独で係留されていたアメリカ海軍アーレイバーク級イージス艦。
52の数字が見えますからDDG−52バリー(Barry)ですな。アーレイバーク級の2番艦(一番艦がDDG-51
のアーレイバーク)で、1992年就役なので艦齢27歳、そろそろお肌のお手入れが大変なお年頃だと思われます。
ちなみにアメリカ海軍における艦種の識別呼称で駆逐艦はDDとなります。最初のDは駆逐艦(Destroyer)の頭文字ですが、二つ目のDには特に意味が無く、単に他の艦が二文字だから、なんでもいいからもう一文字付けて置け、といったレベルのモノらしいです。でもってイージス艦は高度な対空防衛ミサイルシステムを積んでますから、駆逐艦と言っても、そこらの駆逐艦とはわけが違うのよ、という事で、G、Guidance
missile
の頭文字を付けて、DDGにしてしまいました。……DGでいいじゃん。なんでDDのまま文字を追加するのよ、アメリカ海軍。
その先に泊まっていた微妙にボロい感じがする船、元USS
ニューセス(NUECES) 、現艦番号APL-40号艦。
エンジン抜かれてしまってますが、実はこの艦、1945年6月に就役なので第二次世界大戦世代の船です。佐世保に同型艦のAPL-39
がいますが、こちらは1945年9月就役なので、ぎりぎり大戦後の艦となります。とりあえず日本で見れる第二次大戦世代の船は後は戦後に南極観測船にされた宗谷くらいですからちょっと貴重かもしれません。
兵舎艦(Barracks
ship)というあまりなじみのない船ですが、艦内に多数のベッド、シャワーや食堂などをもっていて浮かぶ兵舎として使えるもの。空母とか戦艦とは何千人という乗組員がいますが、艦が損傷し出先で修理になった場合、乗員を乗せたまま修理はできませんから、これをどこかに収容する必要があります。が、これだけの人数を収容できる施設なんてそうはありませんから、この船を派遣して、そこに艦の修理が終わるまで収容するのです。その他にも前線でまだ兵舎が造れない地域などにも派遣するつもりだったようでもあります。このため俊工事の総排水量40000トンと、意外に大きな船となっています(ただし機関を抜かれてしまった現在の排水量は不明)。APLというのはこういった兵舎艦の識別記号。
この手の艦は第二次大戦中、1944年ごろから太平洋戦線に配備され始めたのですが、当初の兵舎艦は小型で使いにくい、という欠点があり、それを改修した決定版として計画されたのがベニワ(Benewah)級兵舎艦でした(ただし新設計ではなく揚陸艦からの改修)。このUSSニューセスはその中の一つとして建造されたもの。が、このクラスは第二次大戦の実戦投入は間に合わず(訓練中に終戦)、結局、後の朝鮮、ベトナム戦争で実戦投入される事になります。
でもって、このUSSニューセスはベトナム戦争後に佐世保に持ち込まれ名前も単純にAPL-40に変更、最終的に横須賀に配属となったようです。その後、機関部を抜かれ自走はできなくなりました。
ただしこの艦、私が見る時はほぼ必ずドッグの前にいます。この時も例の古参の三つのドッグの先にある第四、第五ドッグの入り口を塞ぐように置かれてました。なのでおそらく単なる兵舎艦としてだけではなく、なんらかのドッグ作業に使われてるようなんですが、詳細は不明。例の国土地理院の航空写真で見ると、最大の第六ドッグの前に居た事もあるようですし、佐世保にもドッグがありますから、何かやってるんだとは思いますが。ついでにこれをドッグの前に置く事で外部からの目隠しに使ってるようにも見えますが、これも詳細は不明。
その奥に居た潜水艦。
アメリカの原子力潜水艦で艦橋横に水中翼があるからロサンジェルス級だろう…と思ってたんですが、よく見ればこれ自衛隊のおやしお型だな。こんな基地の奥の方まで使わせてもらってるのか、海上自衛隊。
画面中央付近で左右に向き合ってる大型クレーンは、この奥にある空母岸壁に設置された搭載作業用のガントリークレーン(レールで移動可能なクレーン)。めちゃくちゃ巨大なクレーンなんですが、それぞれに名前が付けられており、左がヨコヅナ(Yokozuna)、右がオオゼキ(Oozeki)です(笑)。
右端に見えてるのは第四か第五ドッグのどちらかの作業用クレーン。こうして見るとクレーンだらけで基地と言うよりは整備工場だよなここ、と思う。
といった感じで快調に進む軍港巡り。真ん中は暑い中でも長袖の上に、突然、双眼鏡を持ち出したダメ人間兼コック。未だに時々何を考えてるのか理解できませぬ。右端は撮影に邪魔だろうが何だろうが絶対に動かなかったマナーの悪い客。人が何を言っても返事すらせず。こういうの乗せるなよ、と思います。
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