さて、今回のオマケ編は台湾の桃園空港で見かけたいろいろだ。
「さいですか」
で、まずはこれ。
「…自販機じゃん」
うむ、旅行記では何度か取り上げてる黒松沙士が入ってるものだね。
「ああ、あのちょっと微妙な…」
個人的には結構、スキなんだけどね。で、問題はその黒松沙士だ。ちょっと拡大して見よう。
「…あ」
うむ、ルートビアを名乗ってるんんだ。確かにこれもハッカ系の植物の根から造られてるんだけど、ルートビアとは完全に別物なのじゃ。ついでに日本語だとルートビールとなっていて、一体なんだそれという感じがしなくもない。
「ハングルとタイ語もあるね」
残念ながら、私はそっちは全く読めない。ただハングルの表記がやけに長いのがちょっと気になるが。
お次はこれ。
「ガンダムだ」
うむ、免税店の店頭に置かれていたものだよ。ちなみに中国語でガンダムは鋼弾と書くらしい。海外で巨大ガンダムの展示を見るのは韓国のソウル以来だ。
「台湾でもそれなりに知名度あるの?」
その可能性もあるんだけど、解説を見る限りどうも微妙な気がする。この展示にあった解説がこれなんだ。
「RXがカタカナで78がひらがな…」
まあ、その日本語表記も気にはなるが、注目は比較的まともな日本語解説に対して、妙にピントがズレてる英語、中国語の解説だ。そもそもそのタイトル部からして、英語と中国語は「RX
78 ガンダムの概要」となってるのに、日本語にはそんな事、一言も無い。
「あれま」
そして肝心の解説部分も、日本語解説はほぼ無視してかなり独自のモノになってる。まあ、この日本語解説も何の説明も無しにMSとか書いてるからちょっとアレで、これを翻訳しろと言われたら私なら逃げ出すけどね。それでもちょっとヒドい翻訳だろう。
恐らく中国語が先に造られて、そこからさらに翻訳したのが英語だと思う。とりあえず両者の内容はほぼ同じなので英語の方から翻訳すると、以下の通り。
RX-78ガンダムは 日本のアニメーション“機動戦士ガンダム”に登場する架空の存在である。接近戦用の戦士で、ジ ウェン公国に対抗する地球連邦の兵士として開発された。
アニメーション中では“一年戦争”で最初に登場、アル ムー ルオ少年が運転する。続編のアニメーションは(単数形なのに動詞がareな理由はよく判らん)この機械を基礎とする拡張版として設計された。多くのファンは初代で元祖のものをガンダムと呼ぶ(単数形の単純固有名詞であるGUNDAMにthe
が付く理由もよく判らない)。
「…微妙によく判らんな。というか日本語の解説ほとんど無視じゃん。」
中国語だと、もう少し丁寧なんだけど、まあ、それでも日本語の解説はほぼ無視だ。
「ジ ウェンとかアル ムー ルオって誰?」
前者はジオン、後者はアムロさんのこと。
「全然違うじゃん」
サンライズによる表記だとそれぞれ、Zeon、Amuro
なんだけど、ここでは Ji Weng と Al Mu Luo
となってるんだよ。
「完全に中国風じゃん」
これは上の中国語訳に引きづられたんだろうね。中国語だとジオンは吉翁、アムロは安姆羅なんだよ。これをそのまま英語表記にしたんだろう。
「ジオン公国、中国語だとなんか縁起のいい名前だね。いろいろ微妙だけど…」
というかこれ、中国語をそのまま機械翻訳して無いか。
さらに中国語もガンダムの事を「一個虚疑角色」としていて、どうも意味がよく判らん。直訳するなら「怪しい劇中の登場人物」といった意味だと思うが、百歩譲って「劇中の架空のキャラクター」といった意味だとしても、何か違うよな、それ。
それを機械翻訳しちゃった結果、ガンダムがロボット三等兵なんだか乗り物なんだか汎用決戦兵器なんだかも判らなくなってしまったように感じるぞ。そもそも巨大ロボットの操縦を
Drive
とは言わんだろう。Piloted by
とかじゃないか、普通。Drive だとロボット三等兵に車輪が付いててアムロがハンドル握って運転してるような絵面にならんか?
「さいですか」
まあ、台湾の空港でガンダムに興味を持つ人間がどれだけいるのか判らんが、もし変なガンダム知識を持った外人さんを見かけたら桃園空港を利用した事があるかどうか、聞いた方がいいかもしれぬ。
「さいですか」
といった感じで、今回はここまでだ。
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