船首部だけを切り取ったこれはバルバスバウの展示。ただし展示の説明は間違いではないものの、説明にもなって無いというものでしたが…。
粘性と密度の高い水の中を突き進む船は高速になると、造波抵抗、すなわち波を造る事で運動エネルギーの多くを奪われてしまい、エンジンの出力に比例して速度が上がらなくなります。
それを解決する手段の一つが、この戦艦大和でもおなじみバルバスバウです。これで船首先端の水中で先に波を起こし、その後からつづく水線上の船首部で造られる波の逆位相となるようにして相殺(波の波長をずらして打ち消し合わせる)、造波抵抗を減少させます。まあ、先端部で波を造ってしまうのであくまで減少であり、抵抗を無くすわけでは無く、またその作動条件は意外に複雑で効果も限定的ではあるのですけども。
アメリカ海軍の発明と言われてますが、よくまあこんなもの考え付いたな、と思います。
その先にあった船体模型。実際にこういったものが建造前に造られるのか、図面を立体に貼りつけて見やすくしたものなのか、よく判らないのですが興味深いものでした。
こちらは船の進水式で使われるカット用の斧とか。実際の進水式に使われたものらしいです。
当サイトの旅行記ではお馴染み、推進指示器。艦橋からお好みの推進状態を指示すると、これと同じ指示盤がエンジン室にあって連動、それを見た機関士の皆さんが実際にエンジン操作をするもの。ちなみに左半分が前進時(船首方向)、右半分が後進時(船尾方向)の指示用。大体、世界共通の装置ですが、このイギリスのロビンソン社製と言うのは初めて見たかも。
といった感じで、ようやく見学は終了、閉館時間ギリギリにようやく撤収となりました。いやはや、スゴイ施設でした。
外に出ると午後5時前でも完全に夕暮れです。日本と1時間の時差があるため、東京よりずっと南西ですが、日没時間はほぼ変わりません。この点は同じような地域ながら東京都同じ時間帯を使う沖縄とは異なる部分となります。
そこから西側、西門側を見る。手前に見えてるのが東門、奥が総統府です。
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